ビシクロピロールは、Bicyclo[2.2.2]octadiene骨格が縮環したピロールです。この化合物は、加熱することで単離が非常に困難なイソインドールの骨格を形成できるため、重要な合成原料として研究、応用がなされています。当研究室では、ビシクロピロールからイソインドール骨格を有する多量体である、ベンゾBODIPY(長波長領域に吸収を持つ蛍光色素)や、テトラベンゾポルフィリン(有機薄膜太陽電池などの材料)の合成を行っています。また、単体のビシクロピロールを超臨界二酸化炭素中で分解することにより、これまで合成が困難であったイソインドール誘導体の合成が可能になりました。そのほかに、導電性ポリマーとして応用が期待されているポリピロールの合成も行っています。