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氷マイクロフルイディクス

ジュースを冷凍庫に入れるとシャーベット状になります。これは、凍ることで純 粋な氷結晶と糖類などの溶質が濃縮された溶液が分離する(相分離)するためで す。 溶質の濃度が低い水溶液を凍結すると、見た目は氷でもその中にはマイクロメー トルサイズの濃縮溶液が無数に存在します。 我々は、この濃縮溶液を利用して新しい分離のコンセプトを提唱しています。 この濃縮溶液の体積は温度によって制御することができます。例えば、温度を上 げると溶液の周りの氷が解けて体積が大きくなります。温度を下げるとその逆の 現象が起こります。 このように温度変化により体積が変わる濃縮溶液をサイズ可変なマイクロチャネ ルとして用いることで、大きさの異なるマイクロ粒子や細胞を分けたり、DNAの 形状を分析する手法を開発しました。 それと同時に、濃縮溶液や氷/濃縮溶液界面の物性の計測を行ったりしています。 これにより、氷床や雪の中での化学物質の動態を解明でき、環境中での化学物質 の循環過程を解明することにつながると考えます。

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