脳イメージング用蛍光色素の合成開発 Development of voltage sensitive molecular probes for bio-imaging and for photoparmacology
神経細胞の生理的機能を明らかにすることは,脳の機能に関わる様々な疾患の治療法を開発する上で重要な課題です。近年急速に発展しているバイオイメージング技術,とりわけ蛍光顕微鏡を利用するイメージング技術は,そのための重要な方法論と考えられています。 |
![]() 溶媒を変えれば,1種類の色素で赤から青までの広い範囲の蛍光色を出すことができる。 |
がん治療用の薬剤分子の合成開発 Development of anti-cancer drugs: (boron・fluorine・iodine)×(photon・neutron)
私達は「ホウ素」と「光」をキーワードに,様々ながん治療に使う新たな薬剤分子の基礎研究を行っています。
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アジリジン骨格をもつ神経細胞標的化合物の合成 Synthesis of aziridines as nerve cell-targeted compounds
スギヒラタケというキノコには,pleurocybellaziridineというアジリジンが多量に含まれていることが明らかになってきました。アジリジンは炭素原子二つと窒素原子一つから成る三角形の構造ユニットで,反応性が高く,抗がん剤に利用されていたり,アミノ酸など様々な化合物の合成原料にもなる興味深い化合物です。Pleurocybellaziridineには,神経細胞の一種であるオリゴデンドロサイトに選択的に集積する性質もあり,生理活性が期待されます。本研究では,pleurocybellaziridineの生合成経路を解明するとともに,オリゴデンドロサイトに集まる性質を利用して,オリゴデンドロサイト標的型の薬剤や分子プローブの開発を目指しています。 |
小さな分子と大きな蛋白質との相互作用 Supramolecular chemistry: ligand and protein
分子と分子がゆるやかな力で結びついてできる「超分子」は,生物の機能の制御を考える上で重要な概念です。たとえば,私達が香りを感じるのは,香料分子が,鼻の奥にある香り受容体にゆるやかな力で結びついて,「超分子」を形成することが引き金になっています。薬が効くのも,薬の分子が,病気の原因になっている蛋白質に結びつくから。光合成生物がきちんと光エネルギー変換ができるのも,クロロフィル(葉緑素)とクロロフィル蛋白質とが極めて精巧に組み合わさっているからです。しかし,小さな分子と大きな蛋白質との相互作用はとても複雑で,どの部分とどの部分が結合するのか,どんな形の分子だと強く結合するのかといったことには,まだまだわからないことが沢山あります。 |
クロロフィル類の超分子化学:光合成メカニズムの解明に向けて Chemistry of chlorophylls toward photosynthesis 葉緑素(クロロフィル類)は光合成を担う最も重要な分子です。太陽光を吸収し,そのエネルギーを化学エネルギーに変換しているのはクロロフィルなのです。光合成を担う蛋白質の中では,たくさんのクロロフィル分子が集合して機能しています。また,クロロフィル類には分子構造が少しずつ異なる様々なクロロフィルが属しています。したがって,「クロロフィルの化学」は,光合成を理解し,活用する上でとても重要な研究テーマであると言うことができます。 |
自己会合性超分子を用いた新規なナノデバイスの構築 Supramolecular chemistry toward living-like systems (shiki-soku-ze-ku) 生物システムは定常開放系です。エネルギーと物質の流れの中で,絶えず自身の一部を壊しながら新しい一部を構築しています。それが可能なのは,細胞が超分子の組み合わせでできているからです。したがって,超分子の集合体は生物的な振る舞いを可能にする最小単位であり,適切な超分子を組み合わせれば生物のような特徴をもつ人工システムが得られると期待できます。 |
科学技術人材の育成法 STEAM education 研究室,大学のカリキュラム,理系高校生育成プログラムなどを通じて,人工知能時代の科学技術人材の育成法を研究しています。コーチングやアクティブ・ラーニングなどを試行しながら,主体的な学びを支援し,創造性を育みたいと考えています。 |
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