Plamo LinuxでIP Masquerade

カーネルを再コンパイルする（必要ないかも）
色々なドキュメントを見ると「普通IP Masqueradeするにはカーネルを再コンパイルします」とかなんとか書いてあり、で実行したら今まで認識されていたEthernet ボードが認識されなかった、というトホホな状況になってしまいました．うう．．．。で、Plamo Linuxのドキュメントを読み直してみると、/usr/src/linux/Config/にもともとのカーネルの設定ファイルがあるので、menuconfigでこれを指定すれば標準のカーネルになります」とかなんとか書いてあったのでその通りしてみると．．．何かもともとIP Masqueradeが組み込まれているようですねぇ．．．なんで、カーネルが大きくなっていて、make zliloではうまくいかず、make bzlilo（bigなliloを作れ、つうことなんだろうなー）でないと出来なかったりするんですが．．．ともかくあまりいじくらなくても良いみたいです。
ipfwadm-2.3.0をコンパイルする。
どっちか言うとこっちのほうが大変？でした。ものの本には「makeとmake installでOK」なんてこと書いてあったのですが、
```
/usr/include/linux/ip_fw.h  line 253 field `timer' has incomplete type
```
となってダメです（うそつきーー）。多分linux2.0.35だからなんでしょう。で、色々当たってみると、ipfwadm.cをちょこっと書き換えて、 #include <linux/ip_fw.h>する前に#include <linux/timer.h>すれば良いらしいので、
```
#include <linux/timer.h>
#include <linux/ip_fw.h>
```
とipfwadm.cを変更（というほど大袈裟ではないか）しました。これでmake出来ます。その後はsuでmake installでOK。
イーサネットカードを一枚追加する。イーサネットカード2枚差し状態をカーネルに分からせる
さて、Plamo Linux on FMVのページにあるように、このFMVはWindows95時代にI-O DATAのLA2/T-PCIが入っていました。これはDECのDigital DC21040 Tulipってやつで（今はもうないのかも）、ドライバーはtulip.cを使っています。で、PCIスロットに差すタイプです。当然1枚差しの場合はeth0がインターフェースだったんですが。
で、この状態からMelcoのLCI-TXIというイーサネットボードを追加しました。こやつはIntelの100/10BASE-Tのボードと互換性のある（ひょっとしてOEM）やつで、やはりPCIバスです。ドライバーはeepro100.cを使っています。なおMelcoはホームページ上で自社製品へのlinuxの対応状況（要はドライバーの有る無しですが）を公表していて、好感が持てます。そう言えばcompacもlinuxのサポート（多分旧DECのAlphaマシンが絡んでいるんでしょうが）を始めたらしいし、ここらは日本のメーカと大違い、というか、うーん、なんなんすかねぇ。マイクロソフトと心中したいのでしょうか？ま、どうでも良いんですが。
で、話をもとに戻しますが(^^;;)、これだけではカーネルが認識してくれないので、suで/etc/lilo.confのはじめの部分にappend = "ether=0,0,eth1"を追加しました。こんな感じです。
```
# LILO configuration file
# generated by 'liloconfig'
#
# Start LILO global section
append = "ether=0,0,eth1"
boot = /dev/hda
#compact        # faster, but won't work on all systems.
delay = 50
vga = normal    # force sane state
# ramdisk = 0     # paranoia setting
# End LILO global section
# Linux bootable partition config begins
image = /vmlinuz
  root = /dev/hda1
  label = Linux
  read-only # Non-UMSDOS filesystems should be mounted read-only for checking
# Linux bootable partition config ends
```
さらにliloを実行します。
次に新しいネットワークインターフェース(eth1）の設定をします。これは/etc/rc.d/rc.inet.1の最後の方に例えば以下を追加します。
```
# Uncomment these to set up your IP routing table.
/sbin/route add -net ${NETWORK} netmask ${NETMASK} eth0
if [ ! "$GATEWAY" = "" ]; then
 /sbin/route add default gw ${GATEWAY} netmask 0.0.0.0 metric 1
fi
#この行以降が追加した部分です。
#eth1---IP masq.
/sbin/ifconfig eth1 192.168.1.1 broadcast 192.168.1.255 netmask 255.255.255.0
/sbin/route add -net 192.168.1.0 netmask 255.255.255.0 device eth1

# End of rc.inet1
```
今回はプライベートネットワークアドレスとして192.168.1.0/255.255.255.0を使いました。
また、プライベートネットワーク側のIPアドレスを192.168.1.1としています。
ここまで設定したら取りあえずrebootしてカーネルにイーサネットボードとネットワークインターフェースが認識されているか確認します。ifconfigを実行して、
```
# ifconfig
lo        Link encap:Local Loopback
          inet addr:127.0.0.1  Bcast:127.255.255.255  Mask:255.0.0.0
          UP BROADCAST LOOPBACK RUNNING  MTU:3584  Metric:1
          RX packets:20 errors:0 dropped:0 overruns:0 frame:0
          TX packets:20 errors:0 dropped:0 overruns:0 carrier:0 coll:0

eth0      Link encap:Ethernet  HWaddr 00:40:26:3C:57:51
          inet addr:160.12.39.10  Bcast:160.12.39.255  Mask:255.255.255.0
          UP BROADCAST RUNNING MULTICAST  MTU:1500  Metric:1
          RX packets:1492 errors:0 dropped:0 overruns:0 frame:0
          TX packets:449 errors:0 dropped:0 overruns:0 carrier:0 coll:0
          Interrupt:11 Base address:0x7280

eth1      Link encap:Ethernet  HWaddr 00:A0:B0:08:05:56
          inet addr:192.168.1.1  Bcast:192.168.1.255  Mask:255.255.255.0
          UP BROADCAST RUNNING MULTICAST  MTU:1500  Metric:1
          RX packets:0 errors:0 dropped:0 overruns:0 frame:0
          TX packets:0 errors:0 dropped:0 overruns:0 carrier:0 coll:0
          Interrupt:10 Base address:0x7200
```
と表示されていればOKです。
なお、ここでイーサネットボードが１枚だけのときとネットワークインターフェースが変更してしまうケースがあるようですので注意が必要です。今回、一枚だけのときはI-O DATAのLA2/T-PCIがeth0だったんですが、2枚差ししたところ、追加したMelcoのLCI-TXIのほうがeth0、もともとあったI-O DATAのLA2/T-PCIがeth1になっちゃいました。これに気付くのに数時間要しました(T_T)。ここらはboot時の画面やdmesgで確認出きます。

ipfwadmを動かす
/etc/rc.d/rc.localに以下の部分を追加します。

if [ -f /sbin/ipfwadm ]; then
  echo -n "Starting IP masquarade "
  /sbin/ipfwadm -F -a m -S 192.168.1.0/24 -D 0.0.0.0/0
  /sbin/ipfwadm -F -p deny
fi

次に/etc/rc.d/rc.modulesを以下のように変更します。

#!/bin/sh
# rc.modules 1.11  Tue Jun 25 14:29:34 PDT 1996 pjv 
#
（途中省略）
# Update module dependencies:
echo "Updating module dependencies for Linux `uname -r`:"
/sbin/depmod -a

# Automatic module loading.  To load and unload kernel modules
# automatically as needed, uncomment the lines below to run kerneld.
# In some cases, you'll need to create aliases to load the correct
# module. For more information, see the docs in /usr/doc/modules.

if [ -x /sbin/kerneld ]; then
  /sbin/kerneld delay=90
fi
（途中省略）
# Floppy drive support:
# (Most Linux kernels should already contain this)
#/sbin/modprobe floppy

#IP Masq Support
/sbin/modprobe ip_masq_ftp.o
/sbin/modprobe ip_masq_vdolive.o
/sbin/modprobe ip_masq_cuseeme.o
/sbin/modprobe ip_masq_raudio.o
/sbin/modprobe ip_masq_quake.o
/sbin/modprobe ip_masq_irc.o

なおkerneldを動かしていますが、この必要はないかも知れません。
ここまで変更したら再びrebootします。

クライアント側のPCの設定
IPアドレス：192.168.1.2～192.168.1.254までの任意の値
ゲートウェイ：Linux機のeth1側のIPアドレス、192.168.1.1
サブネットアドレス：255.255.255.0
とします。ネームサーバ等はインターネット側のものにしておきます。これでクライアントのPCからtelnetもftpもNetscapeもEudoraもできるようになります。
変態チック？なネットワークサービスのIPマスカレード越しの透過性について
telnet, ftp, http, popなんかは楽勝で通ってしまうので、もちっとマイナー？なネットワークサービスの透過性をチェックしてみました。
1. AppleShareIP
  といってもApple製の売り物のAppleShareIPを買う程金持ちではないので、CAPとNetaTalkのAppleShareIP対応版で試してみました。結果はどちらも○でした。速度も十分でます。まあIPが通っちゃえば大丈夫なので当然なのかも。なおIPの世界とは全く無関係な「素っピン」のAppleTalkはIPマスカレードが動いているLinux機にnetatalkをインストールしてルータでも作らない限り、まずダメでしょう。

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satoma@cc.utsunomiya-u.ac.jp

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