Compugen 10K Road Run ・・・ カナダ各都市を回る"Canada Running Series"の最後を飾る大会。カナダ1の大都市トロントの市役所前がスタート、ゴールになっている周回コース。10kmに約1000人。男女比6:4と、日本では考えられないくらい女性の割合が高い。 いよいよ海外でのレースがやって来た。半年前はまさかこの地で走っているとは想像もつかなかったが、これが現実だ。 今回は、話が前日にさかのぼる。私のようにかなり前からRegistrationしている者は、前日までに某スポーツ用品店にいって手続きをしなければいけないことになっている。パンフレットに21:00までと書いてあったので、18:00過ぎに行ったが、何と店が閉まっていて、手続きが出来なかった。平日は21:00、土曜は18:00閉店のようだった。かなりアバウトな案内だが、これもカナダの文化の一部だろう。この予期せぬ展開もいかにも海外といった感じた。 そして、当日。天気は曇り、気温は13度が最高予想と結構暖かい。 8:00に会場に入った。受付で事情を説明すると、全然いやな顔もせず即座に走れるように手続きをしてくれた。こういうおおらかさも、またカナダの文化なのだろう。 さて、これで手続き的にようやく出走可能になった。タイム計測のためのチップをもらいに行くと、チップがそのまま渡されて靴に直接つける日本と違い、チップがバンドにつけられている。不思議そうに眺めていると係りの方が丁寧にいろいろ説明してくれたが、さっぱり分からない。たまらず他の係りの方が、"ankle!! ankle!!"と言ってくれ、ようやくバンドを足首につけることがわかった。 以後、準備運動をして、9:00までは水分を補給しつつ歩き。9:00からは水分を絶って歩き。9:00過ぎになると人が一気に増えた。というのも、休日は地下鉄が動くのが9:00からというのがこちらの習慣のためだ。9:15分に荷物を預かり所に預け、身軽になる。そして、このためだけに日本から持って来た、秋シーズン用に新調した競技用のウェアになる。少し寒いがこれで丁度よいくらいだろう。また、万が一のことを考え、パスポートと財布は預けるわけにはいかない。いつもは本当に身軽なのだが、今回はウエストポーチを使った。これで少しタイムがロスしてしまうだろう。 以後は入念にjogによるアップを行う。市役所前広場、そしてスタート地点付近の道路を使ってアップをおこなった。いつもどおり、後半にはwalkから加速して最高速まで持っていく数本のダッシュも交えた。 周りの雰囲気もいつもと違うのでなかなか面白い。日本に比べると、気合の入った格好をしている人は少ないが、なかなか楽しそうにアップしている。老若男女いろいろいる。その中でもひときわ目立つオレンジ色のかなり派手なウェアの10代の女性を見たところ、腕に距離と目標ラップタイムが書き込んであり、表情とは別に気合が入っているのに驚いた。実はこの人が、後にKey Personになる。 9:45 スタート地点に人がわらわら集まる。日本のレースでは、ここからかなり静粛な時間が流れるが、それとは全然違った。音楽が流れはじめアナウンスが流れる。アナウンスの内容はほとんど理解できなかったが、その中で、「あとX分になりました。」というと、そのたびに周りの人が「Wow !!」といった感じで盛り上がる。見ず知らずの周りのランナーと「頑張ろう」と声を掛け合ったりして、かなりリラックスした雰囲気だ。 2分前、突然雨が降り出した。路面が見る見る濡れていく。 1分前のアナウンスが流れ、ブザーの音と共にレースがスタートした。ゆっくりと走り出し、スタートゲートをくぐった。いよいよ約45分間の観光が始まった。 スタート地点は、Bay St.という、丁度トロントの真ん中を南北に走る道路になっている。南に2kmくらい行くと、オンタリオ湖になる。最初はBay St.を一路北へ向かって走る。両側にはビルが立ち並び、街に吸い込まれて行くといった感じだ。 土地もよくわからないので最初は抑え気味にレースを進めることにする。100-200m位走ると、大体レースのレベルが分かるが、印象としては、周りのランナーが見かけ以上に相当早いといった感じだ。どんどん抜かされていく。 道路も、スタート直後は大胆に両側を開放してくれかなり広い場所を走れる。道の中心に路面電車のレールがあり、ちょっと走りづらいが楽しむつもりで、レールとレールの間をルートにとる。雨で路面がSlipperyだが、自分の靴がグリップ力重視の仕様(ただし減りは早い)なので全く気にならなくて済んだ。 時計を見つつレースを進める。最初の10分は軽く行こうと思ったが、あまりに抜かされていくので我慢できなくなり、5分を過ぎた時点で、ギアを1段上げて普段のレースペースに戻した。これで、周りより少し早めのペースになり、ようやくレースに溶け込むことが出来た。 1kmくらい走ると、ビルの高さが低くなってきて、随所に木が植えてある光景に変わってきた。2km付近、Bay St.が終わり、少し左折してDavenport Rd.へ。200m後、完全に右折してBelmont St. からRosedale Vally Ave.へ。今度は東へ向かう。この辺の道路は、車のための抜け道に近いので建物が全く無い。最も賑やかな地区と、しばし別れ、本格的なレースモードに入ってきた。ここの道は、結構な下りだ。自然とスピードが加速していく。 3kmに、初めての距離表示。タイムを確認すると、13'15''。15'00''位と思っていたので一瞬時計を疑うが、4'25''/kmの非常に早いペースで刻んでいる。おそらく下り坂で相当タイムを稼いでいる。また、レース直前に振り出した雨が、体温上昇を抑えてくれているので、全然暑さを感じない。このため非常にいいペースが保てているのだろう。 なおも下り坂が続く。途中、抜かしたり、また楽しく談笑しながら走っている人に抜かされたり、常に回りに人がいる状態の中で、モチベーションを高めながらレースができる。今まで出たレースの中で、10km参加者が最も多いレースなのが好影響を与えている。4km前、最初の給水ポイントで水を一口補給し、残りは脚を冷やすのに使った。4kmの距離表示が。このレースは以後1km毎に表示を出してくれる。これもまたモチベーションを高めてくれる。大抵のレースでは、中間点、3km前、2km前、1km前しか出してくれないので非常にありがたい。 ここで道がBayview Ave. になり、一路オンタリオ湖に向かって南へ進む。名前と違って湖は見えなかった。 4.5km過ぎ、いよいよ苦しくなってきたが、ペースを落とさないように意識して、どんどん下っていく。今は下れるので良いが、下っていくと同時に、後半どんなきつい登りが待っているのか不安も膨らんでくる。ここで、前の方にスタート地点で見かけた女性を発見した。腕にラップタイムが書いてあったのを思い出し、よほどこのコースを熟知しているとの予測から、ペースメーカーにさせてもらうことにする。以後、40m位前に見ながらレースを進めていった。後から考えると、これが大正解だった。 5kmの表示が。時計を見ると21'53''。今までのどのレースよりも早いハイペースだ。坂で勢いがついているからだろう。このまま行くと44分を切ってしまう。自己新(この時点でのBEST 45'41'')への期待も少し出てきた。とそれと同時に、このハイペースに耐えられるかどうかの不安も交錯する。それにしても苦しい。普段のレースだと23-24分に楽になる時間が来るはずなので、それを楽しみにしてレースを進める。(結局、今回のレースでは楽になる時間が全く無かった)。 6km。タイムを確認する。タイムは忘れてしまったが、まだ4'30''/km以内の早いペースを保てていることを確認し、やる気を保つ。道はまだ下っている。周回コースなので、元の位置に戻らなければならないが、一体どこから登りになるのだろう。タイムは忘れたが、まだ良いタイムをキープしている。6.5km、右折してFront St.に入る。今度は西に向かうルートに入った。下り坂も終わり、ようやく平地になってきた。ここでペースメーカー10m手前に追いついた。 7km手前、最後の給水ポイントがある。先ほどと同様に給水した。結局楽な時間が来なかったが、このハイペースを考えれば納得のいくところだ。非常に苦しいが、真正面にCNタワー、高層ビル群など、トロント自慢の美しい摩天楼が見えてきて、なかなか良い光景だ。多分登っているのだろうが、むしろ摩天楼に向かって突っ込んでいくといった感覚で、まったく登っている感覚が無い。この辺で雨がやんだ。 ここで、ペースメーカーを抜かして、次の目標を探す。8kmの表示が。タイムを確認すると、36分丁度位だった。残りの2kmを4'30''/kmでいければ自己新どころか45'00''も切れる。しかし、20分以上も苦しい状態が続き、もう走力が限界に達しようとしていた。 ここで、右折の指示が。わき道を通って少し北へ向かう。何でもない指示にように思えるが、ここで目標としていた摩天楼が視界から消えてしまったので、この状態では精神的なダメージがかなり大きい。何とか立て直して先へ進む。隣を見ると、今度は7-8歳くらいの男の子が走っている。びっくりしてちょっと見てみると、きっちりゼッケンをつけている。何とこんな小さい子と真剣勝負をしなければならないとは驚きだ。 ここからは精神的になかなか次の9kmが現れてくれないように感じる。 普段のレースなら、8km,9kmでスパートをかけるのだが、ハイペースでその余力も残っていない。 しかも、一度突き放したペースメーカーの女性が、すぐ後ろまで差を詰めてきているのがわかる。とにかくいろいろ考えて「苦しい」という状態と「ちょっと楽をしたい」という誘惑から気を紛らわす。周りを見たり、また日本のメンバーに「駅伝頑張ってください」と言っておいて、ここで自分だけ楽をするわけにはいかないといったこととか、ここでこのペースメーカーに負けたらレースを思い出すたびに一生後悔することになるな。といったことを材料にして、やる気を保ち続ける。9km手前、まず男の子を振り切った。ようやく9kmになった。9kmでのタイムは忘れてしまったが、とても楽勝という感じではなかった。 限界に近い状態だが、頭を働かせて、残りタイムを計算しつつ、どこから最後のスパートをかけるべきか考える。タイミングがずれれば、タイムロスが免れないが、少しでも上のタイムを狙う。いつもは残り距離で動くが、この時はなぜか時間で動くことしか考えられなかった。よほど苦しかったのだと思う。予定到着時間が大体45分として、42分から3分間なら何とか限界の状態で持ちこたえられそうだ。42分から最後の勝負にでることにして、時計を見つつ、レースを進めていく。 レースは完全に市街地に入ったが、もう楽しむ余裕は消えている。以後King St., Adelaide St.を西へ向かいつつ、最後Bay. St.を北に向かってGOALになる。 Adelaide St.の途中でいよいよ42分を越えるのを確認し、最後のスパートに入る。しかしペースメーカーも必死についてきてなかなか楽をさせてくれない。ゴール前は人だかりが出来ていて、大きな声援を送ってくれている。最後までデッドヒートを繰り返し、結局同タイムでGOALゲートをくぐった。 ゴール後は立っていられず、1分位座り込んだまま動けなかった。またストップウォッチを押すのも忘れてしまっていた。が、全力は出し切ったことに満足できた。結局タイムも44'29''と、思いがけない好結果を得る事ができた。 今回のレースは、特に20分以降、非常に苦しい状態が長く続くレースだった。 初の海外レースで、調整などいつもと違ったが、まずは何とか走りきることができた。これは大きな前進だろう。 タイム的にも大満足の結果だったが、いつもの10kmレースの2倍-3倍の参加者によるライバル選手の増加、前半の雨による体温上昇の抑制、ペースメーカーの存在、前半良い感じの下りで波に乗りやすかったコース状態、などいくつかの要因が重なって良い結果を得ることができた。とそれと同時に、特に後半は海外で走れる機会がそうないことを材料に、常に後悔しないようにと意識しながら走りつづけられたことが大きかったと思う。精神的なもののウェイトの重要性を感じさせてくれた良い大会だった。 しかし、高速レースだったので、肉体的にはかなりのダメージだ。ここのところ連日脚がつってしまったり等、やはり限界まで追い込んでしまったことが浮き彫りになっている。 |
東和ロードレース・・・「日本のボストンマラソン」と呼ばれ、非常に伝統があり、人気の高い大会。実家のある福島市から南に30kmほどのところにある東和町主催のレース。東和町は福島県内でもスポーツが盛んなことで有名。福島県内最大のレースで、参加人数は全部で3600人。10kmは500人程度が出走。
このレースの特徴は、何と言ってもそのコースの過酷さにある。10kmでの高低差140mと青葉山よりも高い山を登る。行きが登りで帰りが下り。しかも途中の登り下りが6回前後とコースだけでも厳しい。さらに開催時期も厳しさに一花添えている。例年30℃くらいの中を走るので体力の消耗は激しいものがある。とにかく「タフさ」が要求されるレースだ。 先月の月間走行距離は140km前後と、過去3番目の走り込みだった。しかも16-18km走を3回行っており、かつて無い長距離練習も入っている。これに加え、前日はサッカーの試合をやったため、少し筋肉が張っているところがある。この辺がどう影響するか? アップについては方法が確立してきた。今日は筋肉の張りが感じられるので歩く量を多めにして(1h)、残りの30分軽くjogした。 10'05''に選手集合場所に集まり、10'28''ころスタート地点に移動。今回は公道から直接のスタートになる。それにしてもスタート地点にはかなりの人が集まっている。10'32''に3分前コール。10'35''にピストルの合図と共にスタート。今回は参加メンバーが多く、なかなか動かない。結局スタートラインを超えた時点で、20秒経っていた。 今回は、始めゆっくり登って、徐々にペースを上げていき、折り返しから本格的にスピードに乗せる計画だ。予定タイムは50'00''。 スタート後、はじめの2kmが登りになる。そのため、まずはゆっくり入ることを心がけた。全く呼吸が乱れない程度にゆっくり走る。しかし、もともと登りは鍛えられているせいか、うまく走れているようで、周りのランナーの呼吸が相当乱れていることがわかる。 5,600m進んだところで「これより地獄坂」の表示が。ここからは勾配がさらに増す。ここで、前に78歳の招待選手を発見する。面白いので、しばらくついていくことにする。走り方は頼り無さそうだが、だんだん引き離されていくのがわかる。やはり老人でも1流ランナーは速いことを実感する。こうしているうちにようやく地獄坂を越えて、下りに入る。 ここから少しペースを上げ始める。面白いように周りのランナーをかわしていける。300m程度下ると、また登り坂がある。ここを越えると2.5km地点だ。時計を見ると14'??''。さすがにゆっくり過ぎることにあわてて、心持ちペースを上げていく。今日は暑いので、水分の消耗が激しい。3km地点で、早くも一回目の給水。走りながら軽く一口飲んで、後は頭からかけた。その200m後、スポンジをもらって、走りながら体の各部を冷やす。頭、頚動脈、顔、足、肩と十分に使用した。頭と頚動脈を冷やすのは、温かい血液による脳へのダメージを抑えるためだ。4km地点の手前でまたスポンジ。とにかく体温の上昇を抑える。ここからまた厳しい下り&登りがある。 ようやく中間点に到達。時間は26'15''と、少し遅い。50'00''を目標に、後半から少しペースを上げることにする。折り返し後、抑えていた力を解放し、思い切って下りを下っていく。この後、500m毎にスポンジを取りまくって適時体を冷やした。 3km手前で1kmくらいの長い下り坂があった。ここは気持ちよくくだることが出来た。このあたりから、体が慣れてしまったのかそれほど登り、下りを感じなくなる。のこり3kmで31'00''くらい。残り2km以降は単調な下りなので、残り2kmからスパートをかけることにして、とりあえずそのままのペースで押していく。当然呼吸はすでに激しくなっている。 最後の坂を登りきって、残り2km。ここからは全て下りになる。ここでのタイムは忘れてしまったが、ここから最後のスパートにかかる。行きの坂の逆なので、かなりのスピードになる。周りの人もみんなスパートをかけている。高速状態の中での争いになる。一人抜かしたと思ったら別の人に抜かれ、またその人を抜かしたと思ったら、全く別の人が抜かしていくといった激しいデットヒートを何度も繰り返す。 残り500m。精神的にもかなり消耗してきた。最後は体重をかけるような感じで、なだれ込むようにゴールヘ駆け下りて行った。時計は48'31''。後半を22'16''という速いタイムでまとめ、ひとまず50'00''以内という目標は達成できた。 今回のレースは前半抑えて、後半にかけるという当初の予定通りの動きが出来た。欲を言えば前半2.5km過ぎからもう少しペースを上げていっても良かったのではと思う。16-18kmの長距離の練習をしたお陰で、10kmに関しては、全く距離の長さを感じなくなってきた。これで、春-初夏のレースシーズンは終了。いよいよ秋は再びハーフマラソンに挑む。夏にどこまでレベルを上げられるか・・・。ここ2ヶ月が勝負どころだ。 |
川俣ロードレース・・・実家のある福島市から南に20kmほどのところにある川俣町主催のレース。 参加人数は全部で800人ほどなので、郡山シティーマラソンの1/4の規模。10kmは320人程度が出走。小人数の大会は、走りたい人だけが来ることから、レベルは少し高い。 町をあげての一大イベントなので盛り上がりはなかなか。10kmでの高低差40mとなかなか少ない。行きが登りで帰りが下り。 前走から1ヶ月、ようやくトレーニングも軌道に乗ってきた。 今回のコースは比較的平坦なのでタイムを狙っていく。前半5kmを23'00''でまとめ、後半のスパートで23'00''を切って悲願の46'00''というシナリオだが果たしてどうか・・・。 レース前は、約30分程度アップをした。感覚的には、どうも調子がおかしい。体の切れが無い。9'15''、集合場所へ移動。9'20''、スタート10分前コール。だんだんレースに慣れて来たせいか、それほど緊張の度合いは上がらない。9'29''、1分前コール。ようやく周りもそわそわしてきた。9'30''、ピストルの合図と共に、周りからストップウォッチを押す音の大合唱が起こる。今回はやけにその音が印象に残った。そのまま中学校の校庭を回って、公道に入っていった。 レースに入ってからは、体の動きがよく、調子のおかしさはすっかり忘れていた。少し余裕を持たせたペースで刻んでいく。9分くらい後、3分後にスタートした5kmのランナーに抜かれていく。やはり5kmのペースは速い。その後、コースは繁華街から郊外の方へと移る。前にちょうど良いペースのランナーを発見したのでとりあえずそれを目標にして少しずつ差を詰めていく。途中追いついて抜かしたが、また抜き返されてしまった。そうこうしているうちに、昨年優勝の女子の招待選手(5km)にも抜かれていく。この選手の走り方は完全なピッチ走法だ。ペタペタ走っていて、とても速そうに感じられないが、全く追いつけない。 途中5kmの折り返しを通過。今回のコースは変則コースのため、ここが2.5km地点ではない、おそらく3.5kmくらいの地点。ここからランナーの数が少なくなる。まだ余裕を持って走っているので、笑顔を作れる状態だ。完全に農業地帯を走っているので、民家は少なく、青い田んぼが広がっている。 ここで突然「中間点」の表示が。時計を見ると23'01''。予定では23'00''だったので、完全にペースコントロールが出来ている。ここからさらにペースを上げようと思ったが、なかなか体が動かず、結局そのまま走ることにした。途中下り坂を下ったところで折り返し。さすがに余裕がなくなって来た。ここからはひたすら時計と残り距離との計算をしながらペースを配分していく。 残り3km地点で水を取った。ここからは本当に苦しい。周りのランナーにもどちらかというと抜かれていく方が多い。残り2kmで37'55''。ということは、残りを4'00''/kmで走らないと46'00''に追いつかないペースになっている。この時点ではほぼ無理かなと思ってとりあえず95%くらいの力で走る。ただ、前走よりも距離は短く感じられる。残り1kmの表示で、42'10''。かなり苦しいが、ここから猛スピードでスパートをかける。途中の店のガラスを見ると、自分のフォームがかなり前傾していることに気づくが、そのまま加速を続ける。ようやくゴールが見えてきた。あと200mで45'00''で、何とか46'00''でゴール出来そうな予感。ここからは「自己ベスト更新」という新たな力が湧いてきて一気にゴールを駆け抜けることが出来、タイムは45'41''。文句無く46'00''の壁を越えることができた。 今回のレースは、気象条件、コースに恵まれ何とか自己ベストを更新できた。次回までにはさらに後半のスタミナを増大させるようなトレーニングをしたい。 |
絶好の好天。ランナーにとって気温はちょっと高い(24℃)が、南東北にロードレースシーズンの開幕を告げる一戦にふさわしいコンディションだ。このレースは、これから出場するであろうどのレースよりも平坦なコースで、高速レースとなり、タイムが早くなる傾向にある。 私にとっては、一昨年10月の「松島ハーフマラソン(21.0975km)」の1時間半の激闘から、D論による封印期間を経て、1年半ぶりに再びロードに帰ってくる重要なレースになる。半年後の松島ハーフ、1年後の仙台ハーフに向けた挑戦は、ここから始まる。 当日は朝6時に実家の福島市を出て、7時半に会場入りした。全参加者3,300人だけあって、かなりたくさんの人がいた。運良く福島高専の青木さんに会った。青木さんは新井研出身で、駅伝の優勝メンバーにも名を連ねる大先輩た。私は各レースにおいて、自分の所属を「超臨界駅伝クラブ」として参加しているが、青木さんは今回「超臨界駅伝クラブいわき支部」として超臨界の普及に一役買っている。高専の他の学生さんもいらしていた。みんな何だか楽しそうで、こちらもやる気が出てきた。 今回のレースのアップの方法はいつもと変わらない。準備運動後、召集時間30分前まではひたすら歩き、ここからWalk→jogを数本。jogを数本。Walk→全力走を3本程度行った。サブトラックで合計2kmぐらいは走ったと思う。 その後、召集場所に行く。今回のレースは市民マラソン的な要素が大きいので、雰囲気はそれほどぴりぴりしていない。30分近く待って、いよいよスタートが近づいてくる。集団が徐々に前に進み、スタート3分前に本当のスタートゾーンに到達する。ここで左足のひもが若干きついように感じるが、気にせずそのまま出発することにする。(実は後にこれが問題となるのだが・・・。) スタート1分前、スターターが台に上がる。近くでは一斉にストップウォッチをリセットする音が聞こえる。みんなの視線がスターターを見つめる。「そろそろか。」少しの緊張感が体を包む。 10:45、ピストルが鳴ると同時に、ストップウォッチを動かしつつスタート。半年後の松島ハーフマラソン。そして1年後の仙台ハーフマラソンに向けて大切な一歩を刻んだ・・・。しかし、それは久々に味わう苦しさへの序章でもあった。 レースが始まって最初に感じたことは、思いのほか周りのペースが速いことだ。少し不安になるが、最初はゆっくり入る予定だったので、気にしないようにしてそのまま一定ペースを刻んでいく。競技場を出て一般道に入ってからも抜かされ続ける。走り始めて6'00''。早くも呼吸が苦しくなり始めた。このコースは距離表示がないのでペース配分が難しい。以後、苦しさが全く無くならないまま残りの40分近くを耐え抜くこととなる。 その状態で5kmの折り返し地点、つまりに2.5km地点に差し掛かる。タイムは何と11'00''。このままだと44'00''/10kmの過去最高ペースになるが、予定では12'30''で通過するはずだったので、知らず知らずのうちにハイペースに巻き込まれていることに気付く。ゆっくりスタートすることを意識したのにもかかわらず、これだけ速いペースなのに驚く。ここからペースを若干落として修正することにする。 ペースを落としたために、さらに周りのランナーに抜かれていく。 18'00''。反対車線に16kmの部に出ている青木さんを発見。かなりきつそうだ。声を掛けたが、全く気付かないようだった。 ようやく4km付近に差し掛かって来た。この付近からレースの状況が変化していく。前半ハイペースで潰れたランナーが多く、逆に追いぬけるケースが増えてきた。 今度は太鼓の音が大きくなってくる。毎年中間点付近で、地元の方が太鼓を打って応援してくれる。大音量のスピーカーで「ファイトー。」と叫びつづけているが、かなり限界まで来ているので残念ながらそれに応えることができない。 それにしても中間点までの1kmがかなり長く感じる。練習が十分なら短く感じるのだが・・・。そうこうしている内に、ようやく中間点に到達。23'15''だった。予定では25'00''で来るつもりだったので、結構早いことに喜ぶ。また、ペースを落としたが、2.5-5.0kmまで12'15''とそれほど崩れず、まあまあのペースで来ていることに安堵する。 中間点以降、一定ペースでの走りが続く。残り3.5km地点に給水所がある。今回は給水を取った。今日は暑いので水分の消耗が激しい。走りながら飲み干すと同時に今度はスポンジを2個取った。体温もかなり上がっていて意識がもうろうとしつつある。定跡どおり、首筋(頚動脈)を冷やして脳の血液温度の上昇を抑え、また体の前面を冷やし、筋肉の疲労を軽減させた。 ここで左足の異変に気付く。どうやら豆が出来ているような感じがする。長距離レースでは、足の大きさが1cm程度変わってしまうので、ひもを緩めに締めなければならないが、今回きつめに締めてしまったため、足の裏が伸びきれなくなり、豆が出来てしまったようだ。しかしそれ以上に苦しく、このことはそれほど気にはならなかった。 ここから心持ちペースを上げる。しかし、体が動かなず、距離がものすごく長く感じる。5km折り返し地点(7.5km地点)で、たしか35'00''。ここから5kmレースの走者と一緒になる。そちらのランナーのペースはものすごく速い。我慢して上げたペースをキープしていくが、なかなかあと2kmの看板が来ない。ようやくあと2kmの看板が見える。相変わらず苦しいが、ここでゴールまでのロングスパートに入る。ここからは距離的に駅伝コース1周(1.8km)なのだが、今日は異様に長く感じる。あと1kmの看板が見えたときには、もう残りの体力がわずかな状態だった。一瞬スパート箇所が早すぎたかと不安がよぎる。ここで、時計が42'00''だったので、あと5分以内で残り1kmを走り、47'00''以内でゴールに入ることを目標にして再び気合いをいれる。 ラスト1kmは強引に引っ張って、何とか46'51''でゴールした。後半頑張ったにもかかわらず、前半の方がタイムが良かった(23'15''-23'36'')。ほぼイーブンペースで走れたので良しとしよう。とにかく2001年度の開幕戦を無事終えることができた。 今回のレースは、久々だったこともあり、ペース配分、ひもの締め方など、基本的なことを忘れてしまっていた。また、レース後半の粘りが足りなかった。これは走り込みが足りないためであろう。 高速コースだったこともあり、タイムは10kmの自己ベスト46'30''にあと20''と迫る、まあまあのタイムだった。走る前は50'00''でも怪しいと思っていただけに、ここまで仕上っていることが収穫だった。レース感も戻って来て、これからという感じになってきた。全ては今後の練習次第。今年は何としても10km45'00''で楽に走れるようになるまで持っていきたい。 |