北雄杯駅伝・・・学友会体育部が主催する駅伝大会。川内キャンバス-地獄坂-馬場-理学部-青葉橋-川内を1周するコース × 4人 で競う。各運動部が強制的に選手を送りこんでくるため、レースのレベルは結構高い。深夜マラソンと並ぶ東北大の2大レースの一つ。 長い冬を越え、いよいよ2000年最初のレースを迎えた。 思えば駅伝大会からの半年、ほとんど練習らしい練習をしていなかった。今年は特に練習どころではないだろう。それでもやっぱり(理由はわからないが)レースと聞くと血が騒ぐ。早速出走することにした。 今年は11月の駅伝大会(1.8km)を最大目標に、北雄杯駅伝(5.1km)-深夜マラソン(13km)を挟んで調整していく。 そういえばランニング日誌をつけ始めて、初めての同一レースへの出走だ。昨年は、このコースを24'29''で走っている。また、4月の練習量が180kmだった。今年は、練習量がこの1/10しかないが、これまでの貯金で昨年のタイムを更新することを目標に走る。 今回の北雄杯駅伝は、俺-鈴木幸雄-三浦-芳賀沼でタスキをつなぐ。前回から阿部と鈴木が交代したメンバー構成だ。 朝から小雨が降りしきる天気の中、12:45に受付を済ませ、アップを開始する。 軽く走って、ダッシュ2〜3本と、15分間のみのアップを行なった。 開会式後、グラウンドへ向かい、13:30のスタートを待つ。 雨のせいでグラウンドがかなり湿っている。少し体を動かしながらスタートを待つ。いよいよスタートの時間が近づいててきた。昨年のスタートでは、周りの強烈なダッシュについていけず、それが尾をひいた。今年はできればスタートで飛び出したいが・・・。 13:28、懐かしいピストルの音とともにレースがスタートした。 ところが、周りの選手が遅く、なかなか集団から抜け出せない。仕方がないので距離をロスして前の方に出た。5kmのレースなので、周りのペースはかなり早い、イメージ的には50番くらいでグラウンドを出る。(実際は20番くらいか?)こんなことでスタートは失敗だった。これが響いて来なければ良いが。 走り始めて3分、このあたりで早くも苦しい。普段、こんなに速いペースで走る練習はしないためか。とにかく苦しいまま扇坂を登っていく。この辺から抜きつ抜かれつのデットヒートが始まる。どちらかというと抜かれるほうが多い。女の子にもあっさりかわされてしまう。 川内郵便局付近ではいろいろな部活の人が声援を送ってくれる。それを励みにしばらく進んでいく。 川内交番を越え、いよいよ地獄坂へ入る。 練習ではここまでスタミナを温存して来るので、それほどきつさを感じなかったが、今は違う。今年に入って一番苦しい瞬間だ。この苦しい中をさらに速いペースで登ってくるやつもいる。途中でレースをやめるか、歩こうか本気で悩む。ちょっと前半を早く入りすぎたかと悔やむがもう遅い。(実は去年の自分よりもかなり遅いペース) 少しペースを緩めて様子をうかがう。当然次々と抜かれていく。 10-12分後、ようやく地獄坂を突破。トンネルに入り、平坦コースに入る。しかし、ここでもスパートをかけられない。あいかわらず苦しいままだ。何とか馬小屋までたどり着く。ようやく心に少しずつ余裕が出てきた。 ここから少しペースを上げてみる。周りもここから加速するつもりでいるらしく。前後の状況が全く変わらない。そのまま工学部体育館前へ。ここの横断歩道でタイムを計測すると、17'00''前後。このときは気づかなかったが、昨年より30秒近く遅れている。 ここからさらにペースを上げる。さすがに前との差が少しずつ迫ってきた。理学部-青葉橋まででスピードに乗れた。いい感じで体重移動もできている。ここまでで3人かわす。ようやくレースの流れをつかんだが、時既に遅しといったところか。 この良い流れを保ちつつ、青葉橋から川内へと向かう。下り坂の走りはそれなりに上達しているようだ。ここでも楽に2人を置き去りにして、最後のラストスパートで追いすがる相手を引き離し、とりあえず良い感触をつかんだ。 結局24'24''と、昨年より5秒早いタイムでFinish。しかし、レース内容は昨年と全然異なっていた。 前半は昨年の方が相当早く、それを下りで補った格好だ。これは持久力が不足していることを意味している。 スピードも落ちている。今日の昨年の深夜マラソンでは、工学部体育館から川内までの下りを6'40''で下って、その後12km走れたが、今日はラストスパートも含めて7'00''前後と遅くなってしまった。 今回の収穫は持久力の低下がわかったことだ。やはり練習不足がたたっているようだ。私はどちらかというと、スピードランナーでなく、長距離ランナーだ。深夜マラソン前には相当量のロング走を入れ、駅伝コースをダッシュで走れる持久力をつける必要がありそうだ。 |
化学系駅伝大会・・・毎年恒例の学科内の研究室対抗の駅伝大会。このページに何度も登場する「本番コース」がコースだ。これを1周づつ、5人で走る。 今回は淡々と書こう。 14:00の出走に向けて、少しづつ準備を開始する。 コンディショニングは、これまでのレース経験をもとに行なう。 松島ハーフと同じ状況を作りだす。 出走2時間前に最後のエネルギー補給を行ない、アップに出かけた。 準備運動後、チームのエントリーを済ませる。1走の順番のクジを引いたら、8番/35番だった。 1周歩き、1周走った。 開会式では、陶が優勝カップ返還で、私が選手宣誓をした。 Aチーム集合でいろいろ再確認した後、最後のアップに出かける。 時おり応援しながら、出番を待つ。 レースは進み、松浦-陶-柿沼と順調にたすきが渡っていく。 2'22''、4走の宍戸がスタートした。 ここからの7分間は長い。時折ジャンプしたり、膝の屈伸をおこないつつ、集中力を高めていく。1位の熊谷研が圧倒的な速さで通過。2位三浦研、3位鈴木研が通過していく。4位内田研も通過。正直ここまでは捕らえきれないと感じる。5,6位で横山研、宝澤研が通過。その後少し経って、たすきが戻ってきた。いよいよ出発だ。 出発して5秒後、ストップウォッチを動かす。ここで遅れさせることで、レース途中、時計を見るときに「速く走れている」という暗示を与えることができる。以下このタイムをそのままのせる。 これまでの駅伝大会では、最初の下り坂でオーバーペースになりすぎて沈んでいることが多かった。特に日中は前が見えるためスピードを出しやすい。今回は先週、日中に走ることで明るさによる感覚の狂いを無くす練習をしてきた。 ゆっくりと言い聞かせて坂を降りて行く。周回遅れが邪魔でペースが出ないが、それがかえって良い方向に働いている。図書館後で48''。なかなか良いペースだ。 ここまで、「ペースをゆっくり」という以外は全く無心で走れている。 図書館を曲がったところの下り坂で、ずっと前の方に赤いゼッケン3枚がポツポツ見える。 ようやく前を確認できた。前の4人が大事につないで来てくれたことを実感する。 必ず追いつくというつもりだが、まだ焦らず、視線だけを前の赤いゼッケンに固定する。 今考えてみると、不思議と、後から抜かれるという感覚は無かった。もう前しか見えていない。 坂の途中で、時計を確認すると、少しペースが遅くなっているようだった。ここから少しペースを上げて行く。 橋の手前で2'01''。予定通りのBESTのペースで自信が沸いてきた。いよいよ上り坂に入っていく。 練習どおり、ペースを一定にしたまま前を見ていく。前の方では、宝澤研が横山研に追いつき、2人の熱いバトルが続いている。下り坂では前との差が詰まらなかったが、登りでぐんぐん縮まってきた。良い感じだ。 中間点で3'15''前後。過去最速の入りだが、全くそんな感覚はない。とにかく追って行く。1100m地点で、ようやく前の二人をとらえ、セオリー通り一気にかわす。 理学部横断歩道でタイムを確認すると、4'30''。予想通りのペースだ。T.T.ではここから98%の力で走ったが、今日は迷うことなく全力で前を捕らえに行く。 前に内田研が見える。ここで、差を確認しようと思わず後ろを振り返った記憶があるが、良くわからず、この動作が無駄だと知った。とにかく前に集中する。 残り450m地点。工学部グラウンド脇で内田研のアンカーを捕らえる。しかし、このランナーは先ほどの2人と違い、余力を残していそうで不気味だ。少し躊躇したが、ここで前に出る。後ろからつけられていそうで不安だが、そのまま押していく。 残り300mのカーブのあたりで、渡邉さんから大きな声援が飛んできた。これは精神的にかなり大きな追い風になった。そのまま流れに乗っていく。 工事現場をこえて、ラストの直線に入ってきた。普段の練習では、最終周のラストの直線は、全力で走るスピード練習に充てていた。ここでも同じように、今度は全精神力を入れての全力走に入った。ここから記憶が消えて、気付いていたらゴール後倒れこんでいた。 結局チーム4位と、なかなかの成績を残せたと思う。 駅伝は普通の走りと違って、流れがそのまま力になる面白い面がある。 今までのレースは、「自分との戦い」だったが、特に、今回は「勝負がかかった走り」を経験できたのは大きな財産だった。 来年の駅伝大会には、さらに強くなって帰って来たい。 |
松島ハーフの文章が全部終わっていないが、まずこちらから仕上げる。 深夜マラソン・・・東北大の名物マラソン大会。何と言っても出走が0:00というのが過酷だ。約6.5kmのコースを2周するが、地獄坂も含んでいるためアップダウンもかなり激しいコース。 夜22:00。人影の無い研究室に戻ってきた。これから熱い戦いが始まる。 昨年度の結果、「1'16'00''、178位」に対して、今年は順位二桁、99位以内を狙って行く。 最後の栄養補給を済ませ、さっそくアップに行く。20分ほど歩いて、Walking→Runningを何本も繰り返す。その後、宍戸に会った後、駅伝コースを1周した。気温は低いが、さすがに汗が出てきた。 本部の工学部体育館で、超臨界駅伝クラブの出走メンバー(阿部、三浦、鈴木)と会った。特に鈴木には頑張って欲しい。この長距離を走りきれれば大きな自信になるから・・・。 開会式終了後、スタート地点(応物前の横断歩道)に移動。この直前、全力ダッシュを数本繰り返して、スタートダッシュに備える。 昨日、松浦、塚越の老練メンバーから、「狙っていくのなら、スタートがかなり大事ですよ。重要でなさそうで見えて、このコースでは人を抜かすのに結構労力を要しますよ。」とのアドバイスをもらっていたので、今回は、スタート位置を前の方にして、ロケットスタートで一気に前に出るつもりでいた。 11:55、「スタート5分前」。11:59、「スタート1分前」コール。しかし、雰囲気は和やかだ。 0:00、いよいよスタート。各ランナーともスタートダッシュを掛けてくる。こちらも負けじと前に出る。 ただ、松島ハーフに比べると周りのスピードは遅い。理学部前を順調に通過して行く。スルスルと集団から抜けて、人の少ない前の方にでることができた。先頭からここまではっきり見える。前の方の集団20人くらいは、この後、あっという間に消えて行った。あとは30人程度がぽつぽつ走っている。 いろいろ抜かれ、抜かされつつ川内へ。最初の1800mを6分で通過。さすがに下り坂で飛ばしてきたのでかなりのハイペースだ。扇坂を下ったところで、ペースを心持ち緩めた。すると、5人くらいに次々と交わされていった。 続いて大橋をわたって西公園へ。やはりきつい。まだ3km終わったばかりなのに。最後まで行けるか少し不安になる。最初飛ばしすぎたのがたたってきたようだ。 仲の瀬橋をわたってニ高前の信号へ。深夜マラソンは、信号を守らなければならないルールになっているので、このタイミングが重要だ。ところが、最低のタイミングにひっかっかってしまった。次の青に間に合うように少しづつペースを緩めて走る。すると、せっかく保っていたリードを詰めて、後ろから6人ほどついてきてしまった。 青信号で一斉にスタート。ここで順位が入れ替わってしまった。 なるべく気にしないようにしてさらに進んで行く。川内郵便局を抜けていよいよ地獄坂へ入ってきた。ここで22-23分。時間的に最もきついところだ。走りのリズムを変えずに、ストライドが小さくならないように心がけて登って行く。疲れているときの坂の走りは格段に上達している。普通に走っているのに周りの選手を面白いように交わせていく。 坂のカーブの途中で後ろを確認すると、40m後ろまでに3人。その後ろに10人くらいぞろぞろ走っている。少し恐怖感を覚える。油断するとやられると実感できた。 坂を登りきって、トンネルに入ったところで、少し気が楽になる。このままならまず完走は間違い無い。つらい時間帯も越えて、呼吸が楽になってきた。 馬小屋からは下りなので、自然とペースが上がる。良いテンポで1周目を通過。時間は31'02''。1周あたりでは昨年より7分速いペースだが、まだまだ余力を残している。2周目に入った。ここから冷静にレースを組み立てなおす。 まず、下り坂で前にいる人を交わすことにする。迷うことなくペースアップさせる。どんどん間隔が詰まってきたが、松島で痛めた右わき腹がじわじわ痛んできた。体力的にはペースアップはOKだが、もし痛みがひどくなってしまった場合、この前のような地獄の苦しみを味わうことになりそうなので、しばらく押さえて行く。いままでの経験から、登りではこの痛みが生じないことがわかっているので、後半勝負しても良いし。この間に、後ろからの人に交わされてしまった。 坂が終わりそうなところで、1回目のスパートを掛けた。鉄則どおり、抜くときは一気に交わしていく。相手の足音が小さくなっていく。この後、しばらく孤独なランニングが続く。2周目の大橋の手前で、ものすごいスピードの人に一気に交わされる。ここに来てあのスピードを出せるとは驚きだ。がっかりしないようにと思って、広瀬川を見て心を落ち着ける。少し雨が降っているが、秋風が心地よく、風流を感じる。今度はゆっくり歩いて来たい。 この後の西公園に向けての坂もきつさを感じた。ここからの残り4kmは、精神力の占めるウェートが大きくなってくる。「あと少しだから、一度上げたペースは落とすな!!」と言い聞かせて走っていく。 信号ではまたもや最悪のタイミング。しかし、レースがここまで進んでくるとランナーもまばらになってくる。結局一人しか追いついて来なかった。 この後、二度目の地獄坂へ。走り始めから10km過ぎてのこの坂は、とにかくきつい。コースの所々に、各運動部の役員が立っていて、時たま応援してくれる。坂でも、沢山の応援をもらって、本当にありがたかった。 ここでも有利に戦いを進めることができた。やはり、長距離走では実力が無くても、経験から自分のペースをつかんでいることが大事なのだろう。応援の声の大きさで、どの程度後ろにランナーがいるかがわかる。この時点では20m以内に2人いそうなことがわかった。 トンネル前で、このうちの一人が5m後ろで自分のところをマークしているのがわかった。坂を登りきってトンネルを抜けたところ(ゴールまであと1km)でもう一度スパートを掛ける。ところが後ろも良い感じでついてきている。久々に闘争心に火がついた。この勝負には絶対負けられない。ハーフマラソンでの、残り10km分のスタミナをこの1kmに集約させる。馬小屋付近までは差が変わらなかったが、この後でようやく振り切ることができた。そのままなだれ込むようにしてゴールへ。真夜中の激しい戦いがようやく終わった。 ゴールした後、番号札をもらったら31位と、予想以上の順位で驚いた。昨年の178位から大きく躍進した。 それからストップウォッチを押すのを忘れてしまった。しばらく休んで、完走手続きをした後に見たら、1'05'00''だったので、おそらく1'03'00''くらいだろう。 今回のレースは厳しいレース間隔にもかかわらず、好結果を残すことが出来て良かった。 何より、他のメンバーと一緒に走ることができたのが良かった。(もちろん全員完走) |
松島ハーフマラソン…東北最大規模のマラソン大会。高低差20m。コースは松島タワーの近くから、野蒜海岸までの往復コース。一般的にはアップダウンの激しいコースと言われている。今回は3700人近くが出場。そのうちハーフマラソンは300人程度。 やはり体育の日は好天だ。 5時起きで準備をし、早めに会場に入る。7:00頃には会場入り。7:30には受付を済ませた。 ハーフマラソンの出走は10:40だが、動き始めたのは8:30から。レース2時間前に、最後のエネルギー補給を済ます。1ヶ月前から、この日に体調のピークをもって来れるように調整してきたが、ここからの2時間が最後の詰めだ。 8:50頃、外に出て準備運動をする。その後、散歩に出かけた。 9:30までだらだら歩き続ける。こうして血液を体の隅々まで少しづつ送りこんで行く。 9:30に、5kmの部がスタートするので見物する。1000人くらいが一斉にスタートした。大人数での勢いに圧倒される。5kmなのでペースはかなり速い。 これを見届けた後、最後の水分補給をして、9:50からグラウンドでjogを開始する。まず10分は非常にゆっくり走った。疲れも無く、体調はかなり良さそうだ。残りの5分は、少し速いペースでのjog、最後の200mはレースペースで走った。その後、WalkingからRunへの動作を数本繰り返した。 10:15、選手召集がかかる。早めに行ったので、前の方に入ることが出来た。召集所では主に足首をほぐした。とにかく順調にここまで来れたという安堵感を感じる。 10:30、いよいよスタート地点へと移動。まわりも気合が入って来た。最終的に前から4列目のポジションだった。道の両脇がものすごい数の観客で埋まっているのに驚いた。これがメインレースの雰囲気なのか。 10:35、「スタート5分前」の号令、本当のスタート地点に向けて、全体が少しづつ前にずれる。10:37、「スタート3分前」の号令、まわりから深呼吸した後のため息が聞こえてくる。自分といえは、今日はいつものレースに比べてものすごく落ち着いている。これまできっちり準備してきたという、少しの自信のためだろう。 10:39、「スタート1分前」、「スタート30秒前」の号令、ストップウォッチに手をやり、ダッシュできる体制を作る。観客も含め、全体のボルテージが最高に達する瞬間だ。 10:40、ピストルの合図と共にスタート。なだれ込むようにランナーが動く。ストップウォッチがきちんと動いていることを確認しつつ、21km先の未知の世界に向かって走りだした 最初はペースをつかむのに苦労する。スタートして400mほどで、どんどん抜かれていく。さすがにまわりのレベルは高い。5分を経過して、そろそろ1kmと思ったが、距離表示はなされていない。このレースでは距離表示はなさそうなので、とりあえず今のペースを保って行く。 この辺から最初の坂がある。難なくクリアして行く。早くもハイペースについて行けなかったランナーが脱落している。坂を下り終わったところで、3kmの折返し地点が見える。ということは、ここが1.5km地点。時計を見ると、6'30''。なんと4'20''/kmのかなり早いペースだ。(予定では5'00''/km)。 このあたりで、前のロン毛のランナーの靴紐がほどけているのに気付く。彼はコース脇に外れて紐を締めなおした。ところが、そのすぐ後、ものすごい勢いで抜かされてしまった。 こちらは、少し力をセーブ気味にして、さらに先を目指す。この速いペースでも抜かされていくのだが、仕方がない。まだ戦いは始まったばかりであり、このさき向かうべき敵は多い。 そのうち、5kmレースの折返し地点が見える。ということは、ここが2.5km地点。タイムは11'00''。少し苦しい、そして速いペースだ。 いつもなら、ここでペースをがっくり落として行くが、最近の練習では、一回ペースダウンしてしまうと、なかなか上がって行かない傾向があった。ここでは、むしろこのまま押して行った方が良いと考えて、このペースで進んで行く。 このあと、2度の大きな坂越えがある。17'00''、5分後に出発した10kmレースの先頭集団に抜かれる。やつらのペースは殺人的に早い。19'00''、二度目の坂の登りで、バイクのエンジン音が聞こえて、10km女子の先頭集団がに抜かれる。バイクにはTVクルーが載っていた。やはり登り坂の苦しいところというのは絵になるのであろうか。運が良ければ、10/16の特別番組で、一緒に映っているかもしれない。 この坂を下ったところが、10kmの折返し点、つまり5km地点だ。ハーフの選手は、そのままさらに先に進んで行く。この時点で22'30''。今までのどのレースでも体験したことのない高速ペースだ。まだ1/4が終わっただけだが、この先この速い流れについていけるのだろうか、それとも・・・。 この続きは後ほど・・・。(10/11) 5km地点を越えたところで、体の感覚が一変する。 いままで苦しいと感じていたこの早い流れに慣れてきているようだ。練習でも22分〜23分に一番苦しいところが来ていたが、それと同じ現象だ。 呼吸も落ち着いてきて、ようやく冷静にレースを組み立てられるようになってきた。 右側には海が広がっている。もっともゆっくり眺める余裕はないが。 周りの選手も落ち着いて来ている。この頃になると、同じくらいの走力を持つメンバーしか周りにいなくなり、走りやすい状況になっている。 左側には、30歳くらいの茶髪、金のネックレスをつけた人が苦しそうな呼吸で走っている。 こちらは、呼吸がかなり楽になっているので、余裕を持ってマークして、引っ張っていってもらうことにする。途中で交わしたり交わされたりして、御互いに刺激を与えながら進んで行く。 先ほどのような急な坂はないが、このあとも緩やかなアップダウンが続く。7km付近で、前に3人の集団を発見した。なんとかあの集団に入りたい、と思っていると、後ろの方からバイクのエンジン音が聞こえてくる。 「ここで前を捕らえるところがTV中継されたら結構いいなあ」 と思ったおかげで、心持ちスピードが上がる。次の上り坂でみるみるうちに距離が詰まってきた。 坂の頂点で、ついに集団を捕らえた。追いつくまでスタミナを消費しているので、しばらくこの集団で落ち着いて様子を見ることにする。 後ろの方で相変わらずバイクの音が響いている。 「こんな後ろの方でいったい誰を撮っているのだろう」 と不思議に思いつつ前の選手に目をやる。 この集団で最も早そうなのは、今、自分の前を走っている45歳くらいのベテランランナーだ。 8km付近で、このベテランランナーが集団からすこしづつ抜け出してきた。こちらもこれについていき、集団から離れる。 するとバイクがさっそうと抜いて行った。実は誘導のための白バイだった。かなりがっかりしたが、そうもいっていられない。これから、沿道が少しにぎやかになって野蒜の街へと入っていく。 ここで、反対車線に給水所があった。ほとんどのランナーがタイムをロスして給水を行なうが、前半は予定通り無視することにする。 実は、水分に関しては、1週間前から地道に体に溜め込んである(ウォーターローディング)。特に、ここ3日は1日あたり500mlペットボトル2本分の水分を意識して補給していた。これもレースに向けての大切な準備だった。 8km過ぎ、沿道に人が増えてきた。ここで、大きく右折して、運河を渡り、野蒜海岸に向かって走る。 この運河を渡る橋で、先頭とすれ違った。時計は大体40'00''だ。8月に渡邉さんと下見に来たときは、ここで60分くらいだったので、相当早くなっていることに驚く。 このあたりは道が入り組んでいるので、審判員を沢山おいて、コースがわかるようになっている。かなり金が掛かっていそうだ。 ここで、前にいる人(さっきとは別の人)を抜かしたところ、そいつが後ろからついてきた。息遣いから、後ろに3人いることがわかる。集団の先頭に押し出されてしまったようだ。あまり気分が良くないが、とにかくマイペースを心がけて進んで行く。 ここで、大きく左折して野蒜海岸に沿って松並木の中を走る。左折直後に10kmの表示が、時計を見ると、46'00''くらい。いままでの10kmレースでの最高タイムが9月の始めに出した46'30''だったことを考えると、かなり速いペースなのに驚く。しかも今回はあと11km残しているため、限界まで無理をしていない。この1ヶ月で大きく成長したようだ。 自己記録が出せそうになってきたので、体に力が戻ってきた。集団から一気に抜け出し、さらに前を狙う。前には目が不自由で、伴走者を伴って走っている人がいる。(結局この人とあと6kmほど同じペースで走ることになる)。また、これとは別に、話しながら走っている二人組みがいる。今度は彼らについて行くことにする。 ついに折返し地点へ。予定では52'30''、いくら良くても50'00''で通過する予定だったが、今回は48'01''という驚きのタイムで通過した。 これよりレースはいよいよ後半戦へ突入する。 この続きはまた・・・。(10/12) 少しの苦しさを伴いつつ、いよいよ復路へと入っていく。 話している2人組はとても楽しそうに歓談している。こちらはぎりぎりのペースで走っていることを考えると、とてつもない余裕だ。しかも徐々に視界から消えていった。こちらは体が動かず、全く追えない。 このあたりから日差しの強さを感じる。11km過ぎに、復路最初の給水所があった。予定通り後半は全て給水をしていく。普通の水を取った。全部飲みきれなかったので、その分は足に掛けて体を冷やす。 このあたりからまたもやアップダウンが始まった。しかし、青葉山で練習しているかぎり、この程度のアップダウンは難なくこなせるようになっている。 いよいよ12kmの看板を通過する。予定ではここから第1段階のスパートを掛けるつもりだったが、前半の超ハイペースがたたってか、もうその余力は残っていない。ここは我慢して今のペースを保ちつつ、15kmでもう一度機会をうかがうことに決めた。 この後、記憶が消える。12-15kmまではほとんど記憶に残っていない。唯一覚えていることは、例の伴走者を伴っている人は常に前を走っていることだ。時には至近距離に近づき、時には50mくらい前の方を走られたりして、かなりの距離ほぼ一定のペースで走っている。 とにかく苦しい。15kmを通過したが、とてもスパートする余力はなく、無意識のまま走りつづけた。 そのペースで16km地点を通過する。ここはちょうど良い長くゆるやかな下り坂になっている。しかも木陰で涼しい。非常に苦しく、ここでペースを上げても最後まで持つかどうかわからないが、ここが最後の仕掛けどころと信じて、残された体力&精神力を奮発してペースをググッと上げる。 このスパートで伴走者を伴っている人を一気に振り切った。この他にも数名をかわしていく。みんな苦しそうだ。 この後自分の足音が異様に大きいことに気付く。どうやら蹴りが今までにないくらい強くなっているようだ。足に負担がかかっていることは承知だが、この良いペースを崩さないためにそのままに走りを維持する。今日は足がボロボロになるまで戦う覚悟だ。この後、再び記憶が喪失される。 走り始めて約1'26'00''。19km地点を通過。予想よりも大幅に早いタイムに驚く。ここで、ようやく完走の手応えをつかみ少し安心する。少し気持ちに余裕が出て、気付くとこれまでのことを思い出していた。走り始めの2月頃は、1kmでも息が上がっていたこと・・・。それを乗り越えるための苦しかった練習・・・。雨の日も走ったこと・・・。オーバーワークで練習できない苦しさ。何度もあきらめそうになった今までのレースのこと・・・。全ては今日のこの瞬間のために・・・。気付いたら涙が出て来てしまった。汗と共に涙も拭いつつ先を急ぐ。この後1kmは、苦しさと非常な充実感が入り乱れた複雑な気持ち、でも日常では絶対に味わえない感覚のまま走った。 20kmを通過。この後は大きな坂を一つ超えればゴールだ。しかし、これ以後レースでは未知の距離へと突入していく。20.1km付近を通過。「あと1km」の看板が。ゴールがぴったり21kmではなく、これがハーフマラソンであることを実感した。ここから最後の力を振り絞ってラストスパートを掛けようとした矢先、突然右のわき腹を激痛が襲った。思わす手で押さえる。ところがこの激痛は全然消えず、不安が募る。患部を手で押さえつつ最後の坂に挑む。これはピンチだ。全くペースが上がらず、歩いているのかわからないような感覚だ。今度は冷や汗をかきまくる。やはり最後まで油断はできない。 根性で何とか坂の下りに入ったが、腹痛のためペースが上がらない。この下りで、今までせっかく抜かしてきた人にどんどん抜かれていく。 ゴールまであと500mを切った。ありがたいことに、ここからは沿道の声援も大きくなる。先に競技を終了している10kmの選手等も沿道に来ている。中年女性のランナーが「もう少し。もう少し。」とエールを送っているが、全く足が動かない。 ゴールまであと200mを切った。精神的なものからなのか、ようやく腹痛が収まった。何とか最後の力を振り絞ってなだれ込むようにFinishラインを通過した。タイムは1時間38分前後。目標の1時間45分よりもとてつもなく速いタイムだ。思わず小さなガッツポーズをした。少しは成長した自分に向けてささやかに・・・。 今回のレースは、もう講評の必要はない。 問題点は多々あるが、ここまでよくやったと思うし、半年間の練習の成果が出ていたと思う。 この経験は今後の人生の糧にしよう・・・。 |
みやぎ蔵王高原マラソン…白石市主催のマラソン大会、市民マラソン的な大会である。小さな大会なのに20kmがあるとは驚きだ。コースは、標高600mの高原地帯を走る。高低差約150m。平坦な所はほとんどないハードなコース。おそらく松島ハーフのコースよりも厳しいはず。 20km長距離レースの初挑戦は雨から始まった・・・。 これまでの大会で雨が降ることが無かったのでいろいろ学ぶべき点があった。まず困ったのはアップだ。会場に8:15に入ったが、10:00の出走までいかにして時間をつぶすか?結局、傘を差しての散歩&Runをして、時間がくるまで体を温め続けた。実際Runningは合計15分くらいしかできなかったが、調子が良い感覚だった。 今回20kmには130人程度エントリーしているが、そのうち30人は「平成国際大学」の陸上部のメンバーだった。(結局この中の1人にも勝てなかった、後から調べたら箱根駅伝予選会15位という、とんでもない強豪だった、今年は5位以内に入って箱根に出て欲しいなあ・・・) 彼らは、ウインドブレーカー上下を身につけて普段通りのアップをしていた。今後の参考にしよう。 今日は雨が降っているので直前まで雨よけの下に避難していた。 発走5分前になってようやくスタート地点へ。すぐに全身ずぶ濡れになった。 10:00、ピストルが鳴って熱い戦いが始まる。今回は参加人数が少なくそれほど混乱しなかった。 今回のレースは、5min/kmのペースで走り続けることが目標だ。ただ、このアップダウンを考えると、最悪5.3min/kmでも良さそうだ。 スタートしてから、2.5kmまで一気に100m下り、5kmまでで一気に100m登る。多少集団から遅れたが、自分のペースをつかんでいく。最初の1kmを4'00''で通過。早い。このまま行ったらつぶれる可能性があるが、下り坂のせいだとして、同じようなペースで下っていく。2kmを8'20''で通過。相変わらず早い。 はやくもこの辺で左足のすねが痛くなってきた。3月頃、坂の下りでさんざん痛めたところが今になって復活してくるとは・・・。 2.5km付近を通過して登りに入る。登り始めは重力を感じる。しかし、このアップダウンも7月に出走した「東和ロードレース」のコースに比べれば、まったく気にならない。このとき、前にベテランの人がいて、良いペースで登って行っているので、並走して登って行く。2人で10人程度抜かして4km付近まで来た。ここからそのペースについていけず、失速した。それでも5kmの通過タイムは24'40''程度。上り坂でペースは落ちているが案外貯金がある。特に呼吸は全く乱れていない。かなり良い感じできている。 ここから平坦コースに入る。100mほど前に一人、その50m前に3人+さっき一緒に走っていた人の5人が確認できた。一定ペースで走っていくが、まったく差が詰まらない。そのうち3人の集団のみしか確認出来なくなった。このまま8km付近まで来る。さすがは長距離レースで、同じ人を追っておる距離が長い。なんとか前の集団まで行ければ、引っ張って行ってもらえそうなので機会をうかがう。この後、急な上り坂があり、一気に差を詰める。ところがこの坂で集団そのものも崩壊した。 42分ころ、先頭とすれ違う。例の大学生集団が上位を独占している。 そのうち2人を交わして中間点へ。タイムは48'40''。予想最高タイムより結構早い。いつもならここでレース終了だが、ここから未知の距離へ入る。 ここで、後半スパート型のランナーに交わされる。彼は、仙台市指定ごみ袋に腕の穴を開けて即製のウインドブレーカーとしている。発熱を抑える自滅行為と思うのだが・・・。しかし交わされてしまった。さらに、先ほど抜かした2人にも逆に抜かされる。 11km手前で折返し点へ。手にマークをして早速折り返す。12kmを57分台で通過。それにしても今日は全く喉が乾かない。結局無給水で最後まで走ってしまった。12kmから心持ちスピードを上げていく。この先の長い上り坂で先ほどの2人他数名をとらえて、今度は一気に交わす。結局最後まで抜かされることはなかった。 残るは即製ウインドブレーカー男、この男がまた早い。こちらもペースを上げているのに、視界に入っては消えの繰り返しだ。辛抱強く追い続ける。 15km付近は孤独な戦い。時折雨が強く降ると、前の選手を捕らえることが出来ない。おそらく70-100mほど前にいそうな感じがするのだが。15kmを7?分台で通過。相変わらず5min/kmより速いペースを保っている。とりあえず85分の関門制限はクリアできた。 今回はここに来てもほとんど疲れを感じない。2日前からやっていたカーボローディング(炭水化物を集中的に取る)の効果が現われている感じだ。ちなみにこの日は、朝、ご飯&インスタントの味噌汁&バナナ、8:30頃エネルギー補給用ゼリー一つだ。とにかく蓄えたエネルギーを全て燃やせ。 残り5kmから意識的にペースを上げる。相変わらず坂が続いているが、そんな感覚はほとんどない。とにかく飛ばして行く。この辺、よく覚えていない。残り2.5kmからゴールまではかなりきつい上り坂。前に2人発見した。2km付近でこの2人も捕らえる。残り1.5kmからは、小学生や中学生など他の競技者とも一緒になってかなりにぎやかになる。あと1km地点で、9km追いかけてきた即製ウインドブレーカー男を捕らえた。ここからのラスト1kmはさすがに足が重くなったが、何とかゴールインできた。 結局タイムは1'36'55''。ペースにして4.85min/kmだった。(駅伝コースを8'44''のペースで11周) 順位も50/136と平均以上に上がった(平成国際大学が出てなければ20/107?)。少しレベルが上がってきたようだ。 前後半ともほぼイーブンで走れた。(感覚的には後半飛ばしているような感じなのだが)20kmのレースペースもつかんだ気がする。 また、ロングレースの楽しさも垣間見れた。途中抜かされても最後まであきらめなければ逆転のチャンスがあるし、疲労感も短距離時の「吐くような」疲労に比べて、「体が動かない」といったようなものなので心地よい。 今回のレースは、これまでのレースで最も会心のレースだった。前半早めに入ってそのままのペースで押しきるという自分としての理想のペースで進められた。 走る前は、5min/kmでも厳しいと思っていたが、どんな条件でも5min/kmなら行けそうだ。 これで練習レースは全てこなした。次は、いよいよ本番の松島ハーフマラソンだ。7月に無理かな?と思って立てた目標、「松島ハーフで1'45'00''以内」も射程圏内に収めてきた。今度は本気で狙っていこう。 |