レース雑感(1-5)




No. 5 1999.9.5 ほばらももの里ロードレース・10.0km
ほばらももの里ロードレース・・・福島県北三大レース(5月川俣、7月東和、9月保原)の最後を飾るレース。みんな、秋シーズンの最初のレースとして活用しているようだ。
コースは、高低差50mと比較的ある方。ただし、登り下りは無く、始めひたすら登って、後半ひたすら下るという比較的楽な設定、実際走っていても坂の存在を感じない。
参加人数は約1800人。このうち10kmには400人程度が出場。

いよいよ秋シーズンの開幕レースがやってきた。今日は、2ヶ月ぶりのレースなのでレース感を取り戻して行きたい。10kmレースは今年はこれで最後。以後はハーフに向けて長距離型に仕上げて行く。今回何としても10km45分以内という目標を達成したい。

今回の会場は保原町の中心部、阿武隈急行線保原駅前広場だ。受付を8時頃済ませたが、出走が10:20なのでかなり時間がある。今回はアップをより入念にすることにした。駅伝コースタイムアタックで最高タイムを出した、8/28のアップに従い、5kmを30分程度で動くアップをすることにする。
8:30からその辺を散歩して体を動かす。今日は、左足のアキレス腱付近に違和感を感じる。今までそんなことは無かったので、もう一度十分に足首をほぐした。9:15から走るアップを始めた。今回はコースそのものを走ってもOKだったので、2.5km付近まで行って戻ってくることにする。例によって、Walking→Runningの動作を何回も繰り返しながら体をスピードに乗せていく。前回のレースで、残り1km地点を見失ってしまったので、今回はそれも確認した。黄色いドアがある大工場(王子製紙ダンボール工場)だ(今回は工場地帯を走る)。30分かけて体をほぐした結果、左足の感じも良くなってきた。
10:05、選手召集所に向かう。ここで靴の最終チェックをする。今まで考えた事も無かったが、靴ひもの力加減も重要だ。いろいろ試した結果、私の場合はつま先の方を緩く、甲の上の部分になるにつれてきつく締めるのが良いことがわかった。
10:15、400人の選手が一斉にスタート地点に移動。今回はゼッケンナンバー順なので、前の方になってしまった。結構ぎゅうぎゅう詰めだ。10:19、一分前コール。周りの選手がビシビシ自分の体をたたき始める。いつもの光景だ。

10秒前コールから、カウントダウンが始まった。盛り上がりが最高潮に達する瞬間を迎える。
10:20、ピストルの合図と共にスタート。今回は、スタートのペースが異様に速い。何か今までのレースと違う雰囲気を感じる。参加者のレベルはそんなに高くないはずなのだが・・・。
とにかくまわりに引きずられないように抑えていく。まわりと比べると遅い流れだが、自分としては良いペースになってきた。

1km地点で、タイムを確認すると、4'11''。かなり速いペースで、高速レースを予感させる。しかし、全く無理をしていないので、このペースでレースを進めて行く。この後登りが始まるので、どっちにしてもタイムは良い感じで落ちてきてくれるだろう。
2.5km地点で、再度のタイムチェック。タイムは忘れてしまったが、予想通りのペースだ。今日は前半抑えているせいか、いつになく冷静にレースを進められているような気がする。この辺からハイペースにやられて沈んで行く選手を順調に交わして行く。
19分、先頭とすれ違う。そろそろ折返しか?
ここから、35歳位の人と抜きつ抜かれつを繰り返す。(一度は離すが、結局8kmで振り切られてしまう)。この辺から道が曲がっていて、曲がる度に折返し点を期待してしまうがなかなか現われてくれない。結局23'30''で折返し点を通過。これは5月の川俣と同様のタイムだが、今の方が余裕があるし、帰りは下りなので、21'30''で下れば、45'00''は十分狙えるタイムだ。

折り返してから、体が少し軽くなり、スピードに乗っていく。高校生らしき人を一人見つけた。彼もかなり良い感じで加速している。今回はそいつをマークして引っ張っていってもらうことにする。
前半は予定通り給水を全て無視したが、後半では給水を1回するつもりだ。早速6km付近で少し飲む。たしかこの辺で思考能力が薄れてきた。とにかく体が熱い、脳に熱い血液が流れ込んでしまっている。スポンジを取りたいが、これ以後の給水ポイントではスポンジが皆無だった。もっと用意して欲しい。

7.5km付近でタイムをチェック。タイムは忘れてしまったが、45分には厳しいタイムでちょっとやる気をなくす。ここでスパートして勝負をかけようかと思ったが、怖くて一定のペースで走りつづける。後から考えれば、ここで行くべきだった・・・。

この辺から右の腹筋が痛み出す。高速レースでいつも生じる右肋骨の部分の痛みではなく、今回は腹筋が痛んでいた。今後さらに補強する必要がありそうだ。500m程度走っていると痛みを感じなくなった。

8.5km地点、ようやくラスト1kmの目印の工場が見えた。しかしここからが長い。何とかたどり着き、最後のスパートに入る。ここでのタイムはたしか41'00''前後だったような気がする。
8.5kmからゴールまでは直線なので時計とにらめっこしつつ思いっきり走った。
残り300m地点で、残念ながら45分になってしまった。あとこれだけなのに・・・。

ゴール前で猛然と40-50歳くらいのランナーが突っ込んできた。その勢いに競り負けてしまったが、ゴール直後その場で吐いていた。中年パワーを見せ付けられた。
結局タイムは46'30''といままでの自己ベストを30秒更新したにとどまった。

今回は、なんか不完全燃焼で終わってしまった。
確かにレースの運び方は上手になっている。でも今日のレースでは残り2.5kmからスパートをかける勇気がなかったことが悔やまれる。完全に守りのレースになってしまった。1.5kmは体力で、最後の1kmは精神力で押せたはず。やっぱり勝負どころで積極的に行かないと。
10km45分を切るのは、来年への課題としたい。まだまだ始まったばかりなのであせらずやっていこう。
また、20kmに向けてはまだまだ走り込みの量が足りない。今週がっちりやるつもり。
これまで、変に実力がついていると勘違いしているところがあったが、これでまだまだ実力(&精神力?)不足であることがはっきりしたことが収穫だったかもしれない。


No.4 1999.7.4 東和ロードレース・10.0km
東和ロードレース・・・「日本のボストンマラソン」と呼ばれるレース。二本松市の近くにある、のどかな山間部の町で行われるが、全国からの参加者も多数。福島県内で最も規模が大きいレース。
参加人数は全部で約4500人。最大距離のハーフには350人が、10kmは500人程度が出走。
給水、コース表示などのサポート体制もしっかりしており、人気が高いレースの一つ。10kmでの高低差140m。

雨の予想とうらはらに、絶好の好天気。受付を済ませ、ベースとなる場所も確保した。この時点(9:40)で出走まであと55分。準備運動をして、そそくさとアップを開始する。まず20分間走りつづけることを目標にゆっくり体を動かす。気温はすでに高い、28-30℃は行ってそうだ。レースで使用しない道を9:48まで走り、そこで折り返す。脚の状態はさすがに良いとはいえないが、それなりのレースは出来そうだ。規模の大きい大会だけあって、アップも、ものすごい人だ。何もしなくても汗が出てくる。10:00、ランシャツにゼッケンを付けて、レースに備える。10:05、レース前最後の水分補給。今回は大塚製薬のブースが出ているので、無料のエネルゲンを何杯かいただいた。

その足で選手召集所へ。10:20、狭い空間に500人近く集まっている。いつものとおり、足首回し、膝の屈伸をする。どきどきジャンプをするが、前の方まで良く見えない。 10:30、全員が波のように100mほど離れたスタート地点へ移動。着いたと同時に、「スタート3分前」コールが。もう一度柔軟を繰り返す。10:34「1分前」のコール。いよいよ観客も含め周りもざわざわしてきた。10:35、ピストルの合図とともにスタート。だが大人数でなかなかスタートできない。ようやく30秒後くらいにスタートラインを通過することができた・・・。

今回のコースに関しては、パンフレットにあった高低差からは、3.5km地点に最高点(高低差140m)があることがわかっている。 特に、スタートしてすぐに最大の坂「地獄坂:勾配10%、500m」があるようだ。
スタートから2分後、さっそく地獄坂の看板が見える。余裕があったので、ここから少しペースをあげる。 周りのランナーはもう疲れているようで、面白いようにかわせる。北雄杯駅伝を思い出して、坂では呼吸が乱れないようなペースを刻んで行く。最初の1kmは5’40''位。かなり遅いペースでちょっとあせる。

ようやく坂を登りきったと思った瞬間、前にものすごい下り坂&上り坂が見えた。 この時点で、坂は単純に登って行くだけでなく、300-500mずつの登り&下りを何回か繰り返しながら登って行くということに気づき愕然とする。この後、下って登って×2の後、2.5km地点にたどり着く。ここで最初のスポンジを取る。熱中症を防ぐため、定跡通り首筋を冷やす。
タイムは確か13'00''位。前回の推定タイムが11'45''なので1分ぐらいのロス。このコースではもう自己ベストどころではない。(結果的にはこれですらハイペースだったのだが・・・)精神的にかなりきつい。モチベーションも下がってきた。

このあたりから、周りのランナーに抜かれはじめる。抜き返したいが、ハイペースのために体が動かない。まだ1/4しか終わっていないのでかなりの不安。今から考えるとこの後2km位が最高にきつかった。この後坂をもう2回上り下りしているはずだが、意識がはっきりしない。3.5kmくらいで一度給水を行う。今回は走りながら上手に飲むことができた。
やっと、「4km」の看板が見える。今回は特にkm表示とkm表示との間が長く感じられる。このあと1分位して先頭のランナーとすれ違う。このすれ違いで結構気が楽になる。次は折り返しだが、長い上り坂が続く。しかもくねくね曲がっているので、「この辺で折り返し?」と思うと、まだまだコースが続いていてがっくりさせられた。3回くらいだまされた後、下り坂に入ってすぐに折り返し。タイムは26'30''。このペース、この苦しさにしては、なかなかのタイムで少しやる気を出す。この時点で、スパートはラスト2kmと決める。

折返し後、レースの状況が一変する。どうやらこのコースを走りなれている人たちは、「後半勝負」を鉄則にしているようだ。周りのペースが一気に上がる。数少ない平地ではレースペースについて行けるが、登り坂、特に下り坂ではどうしても離されてしまう。それにしても前半のオーバーペースが悔やまれる。後半、給水所では、2回に1回の割合でスポンジを取った。とりあえず帽子をびしょびしょに濡らすが、500mもしないうちにからからに乾いてしまう。かなりの日差しだ。それにしてもこのレースは給水所が多くて助かる。しかも、給水所にはスイカ、レモン、バナナ、時にはアイスまであるが、全く手を出す余裕がない。

残り2.5km、峠の頂上でタイムを確認。41分だった。やはり相当遅い。呼吸はすでに折返しの前から乱れていてペースアップが望めない。ここからの下り坂でスパートをかけようとするが、今度は右の胸、肝臓の上あたりが痛む。高速レースの際に後半いつも痛くなる場所だ。下り坂、もったいないが減速して様子を見る。 残り2kmを過ぎて、少し経ったところで痛みが収まってきたのでスパートをかける。ここからは全て下り坂なのでなんとか飛ばして行く。先ほどの「地獄坂」の反対を下っていく、途中「極楽坂」の表示が。なるほどと思う間もなく、残り1kmの表示を探して行く。なかなか「残り1km」の表示が見えない。おかしいと思っているうちに道の両側が観客で埋まって、ゴールが近くなってきたことに気づく。どこかで見落としたようだ。そのままの勢いでゴールへ。タイムは52'05''位。少し力を余してしまったが、タイム的にはそんなに変わりはないだろう。それにしても苦しいレースだった。

今回のレースは、同じ10kmでも、コースによって厳しさが全然違うことを改めて感じさせられた。 これほどアップダウンが激しいコースを走るとは思っても見なかった。これを書いている今、両足の全体&両腕&背中全て筋肉痛だ。
前半のオーバーペースが主な敗因だろう。レースはタイムで組み立てるのではなく、コース&調子によって臨機応変に組み立てられるだけの経験が足りなかった。特に、今後のハーフ挑戦に向けては、ここがさらに重要になってくるだろう。 この1ヶ月間の練習不足も露骨に出てきた。後半全く粘りが無かったところにそれが表れている。
今年の目標レース、10/10の松島ハーフマラソンまで、あと100日を切っている。少しづつ立て直して行こう。 10月には、21.0975kmを、2時間以内で駆け抜けて行きたい。


No. 3 1999.5.23 川俣ロードレース・10.0km
川俣ロードレース・・・実家のある福島市から南に20kmほどのところにある小さな町でのレース。
参加人数は全部で800人ほどなので、郡山シティーマラソンの1/4の規模。10kmは320人程度が出走。 小人数の大会は、走りたい人だけが来ることから、レベルは少し高い。
町をあげての一大イベントなので盛り上がりはなかなか。10kmでの高低差40m。

今回は熱い、いや暑い中での過酷なレースとなった。(結果的にこの日の福島市の最高気温は30.8℃、全国一の最高気温だった。)
レースに向けて走りこみの量が不足しており、それほどの好タイムが望めそうにないが、レース前、目標を以下の3つに絞る。
1.前回より1秒でも早くゴールする。
2.前半5kmを25-26分で通過する。
3. 2.が達成できない場合でも、レースをあきらめない。

朝からまめに水分補給。8:00に会場入り。 これまでのレースでは、練習以上のハイペースになった時に左足の脛が張ってしまい、また右の肋骨に差すような痛みがあることがわかっている。 昨日発売の某雑誌を読んだところ、同じような悩みを抱えているランナーがいた。しかもその原因が、「アップ不足」であることがわかったので今回は念入りにアップを行う。 9:30スタートなので、8:15からアップ開始。最初の15分で柔軟。特に右の胸を念入りに動かす。
8:30からジョグを始める。会場の中学校の回りを1周。この時間なのに、とにかく暑い。戻ってきて水分補給。 もう1周。また水分補給。ここで9:00.さらにもう1周で合計3km位走った。ここで最後の水分補給。計700cc。
9:15、今度はスタートの校庭で最後の調整。そのころ中学校の最上階で吹奏楽部の練習が始まり、それを聞きながらの調整となった。 音から察して、今日は個人練習のようだ。この時期はそろそろコンクールに向けての練習が始まるのでこちらも気合が入ってくる頃だ。 クラリネット、フルートはパート練習をやっている。 ホルンは必死に高音部を出そうとしているが厳しそうだ。奴は少し腹筋を鍛える必要があるかもしれない。
余計なことを考えてしまったので、ここでもう一度集中しなおす。

9:22スタートラインに集合する。少し喉が乾いてきた。今日は暑いので、給水を全て取ると決める。 膝の屈伸、足首回しを繰り返す。
9:25 全選手が集合完了。周りのランナーを見渡すと、少数精鋭でかなり速そうだ。今回は手ごわい。
9:27 深呼吸して、とにかく自分に集中集中集中。周りのボルテージも最高調に達している。
9:29 例によって、スタートまでのカウントダウンが始まる。
9:30 ピストルの合図と共にスタート。

中学校の校庭は狭く、なかなかペースが上がらないが、これは遅い私にとっては好都合。とにかく前半抑えながら走っていく。 軽く足を前に出して、なおかつ北雄杯駅伝の時には乱れてしまった呼吸のリズムが崩れないペースを保つように意識する。
かなり良い入りだ。3'00''、町の中心部を走る。まだまだ道路は選手で込み合っている。
4'20''、1分遅れでスタートした5kmのトップ集団に交わされる。やはり5kmはペースが違う。実業団の招待選手も速いが、中学生も一生懸命走っている。 若い人の純粋な走りを見て、こちらもやる気が出てきた。しかし、ここは抑えて一定ペースで走っていく。
7'00''‐8'00''、結構つらいが先週の5kmほどではない。除々に選手がばらけてきた。ここからメインストリートを右折、田舎道に入る。 12'00''位、折り返してきた5kmの先頭集団とすれ違う。 先導が原付というのがいかにもローカル大会らしくて面白い。
14'40''、5kmの折り返しを通過。今回は変則コースなので、ここが2.5kmではない。 早くゴールに行きたいと強く感じる。ここから選手数が激減。さらに先を目指す。 16'30''位、最初の給水。少し飲んたところ、ポカリスエットだった。残りを頭からかぶってさらに走る。
ここで、高校生とデットヒート。彼は前半飛ばしすぎたようなので、ペースダウンしている。そいつをあっさり交わすが、向こうも抜き返す。 結構前の方に行ってしまったので追うのをあきらめた。(結局抜かすことになるのだが、どの辺で抜かしたか忘れてしまった)。
このあたり、延々と田園地帯が続く。沿道の応援もまばらだ。農作業を止めて応援してくれるおじいさん、おばあさん方が時々いる程度であるが、ありがたい。でも苦しくなってきた。
22'00''、先導のパトカーが見えてきて、折り返してきた先頭とすれ違う。 不意に、「中間点」の表示が・・・。時計をチェックしてみると、23'30''。正直言って信じられない。
予想最高ペースよりも1'30''も早いし、何より余裕を持って走っているので、左足のスネも痛んでいない。 スピード練習の効果か、楽に走れるペースが少しづつ速くなっているようだ。 自信がついて、走りに力強さが出て来た。下り坂を下っていく。今日は余裕を持ったレースが出来そうだ。
26'30''、折り返し。とにかく一定ペースでと心がけて通過。
折り返し後、往路のランナーを眺めて走る。
この後、高校生ランナー3人を次々と交わす。このあたりから少しづつ呼吸も乱れてきて、記憶も飛んできている。やっぱり苦しくなってきた。 33'00''、給水所にさしかかる。今回給水をしてくれているのは、川俣中の陸上部の子たちだ。 ここではコップ2個をもらうが、「アッ。」という悲鳴が聞こえた。どうやら一人を水びだしにしてしまったようだ。 本当に申し訳ないと思うが、こちらもそれどころではない。一つは給水、もう一つは体を冷やすために使った。後ろ髪をひかれながら前に進んでいくが、ペースが上がらない。いよいよ苦しくなってきた。
やはり前半はオーバーペースだったのだろうかという考えが浮かんでくるが、それを必死にかき消す。ここまでのレース運びを信じるしかないと言い聞かせる。
37'00''位。残り2kmの表示が・・・。後半頑張っているがペースが上がっていない。この苦しい中1km5分そこそこのペースで走らないと、自己ベストは更新できない。 途中の余裕はどこに行ったのか、結構不安になる。 苦しいので、このまま行って、残り1kmから勝負することに決める。
それにしても、「残り1km」の表示が待ち遠しい。なかなか出てこない。周りのランナーにも少しづつ交わされはじめている。 もしかして表示を見落としてしまったのかと思い、41'30''でスパート。
すると、その30秒後、残り1kmの表示が。思っていたよりもゴールが遠く感じる。とにかく前のランナーについていくがじわじわ離される。 この後バス停を通過。何と、「油田」という名のバス停だった。職業病か、重質油の改質プロセスのことを思い出してしまうが、ここはそれどころではない。 しばらく時計を見ないと決めて、ストライドを広げていく。ついに校庭に戻ってきた。ここで時計をチェックすると、46'00''位。何とか46分台でゴールしたいと思いつつFinishラインへ。最後、ゴール前で一人に交わされるが、抜き返す気力は残っていなかった。 結局タイムは46'58''。暑い中にも関わらず、前回の10kmレースよりも2分くらいベストを更新できたので本当に良かった。

今回のレースは、前半、後半ともに23'30''と、理想的なレース運びができたのではないだろうか。
特に、前半5kmを楽に23'30''で走れるようになったのにはびっくりした。 逆に、走りこみ不足で、後半バテてしまったのが反省点だ。次回はここを修正していきたい。
2ヶ月前には、とうてい無理だと思っていたタイム、10km45'00''も憧れでなく、確実に手の届くところまでやって来た。


No.2 1999.5.15 北雄杯駅伝・5.1km
レース前日の夜23:00頃、大阪の平田さんから、明日の大会に向けてのうれしい激励のメールが到着。 その中に、「また熱いHP楽しみにしてます。」との刺激的な一言が。
今回もかなり熱くレースを振り返ってみました。

昨日までの暖かさも一段落し、肌寒い一日。走るにはちょうど良い気候だ。
今回の北雄杯駅伝は、佐藤-芳賀沼-三浦-阿部でタスキをつなぐ。
これまでの経験上、出走3時間前の10:30に研究室にて朝食をとる。少し仕事をしているうちに、12:20になったので川内に向かう。 受付を済ませ、アップ開始。今回は、終始軽いjogでのアップを行う。 1km程度走ったところでうっすら汗をかいてきた。
開会式が終わり、他の3人とわかれ、1走スタート地点のグラウンドへ向かう。 ここでは、ひたすら孤独なアップ。スタート地点に集合し、タスキをもらって気合も入ってきた。
スタート1分前からのカウントダウンが始まる。
13:30、スタート。人数が多く、なかなか良いポジションを取れない。 グラウンドを出るあたりで、ようやくペースに乗ってくる。 この辺ではかなり余裕を残している。川内郵便局のあたりで他のメンバーが応援していてくれた。
余裕の表情と共に、「後半もっとペースを上げていくから。」の一言を残して駆け抜ける。その後どうなるかも知らずに・・・。
スタートから1km、川内交番のあたりから登りがきつくなってくる。日ごろの登りでだいぶ自信がついていたので、ここからガンガン交わしていくつもりで走る。
ついに、最大の難所の地獄坂に入る。 ところが、地獄坂で5人に一気に抜かれていく。かなりあせるのと同じに、敗北感に包まれる。 考えてみたら、疲れている状況での登りの練習というものはほとんどしていない。(これをやると、学校まで登ってきてから使い物にならなくなるので)。 甘い練習のつけが回ってきたと反省する。現役の学友会部員(かつてはその一員だったが)のパワーを再認識した、やっぱり奴らはすごい。 少し冷静になって、自分の走りを組み立てなおす。気づいたら呼吸が乱れていた。かなりきついので、リズム良く呼吸ができるように、ストライドを縮めてペースを崩さないように対応する。 ここからしばし記憶を失う。
気づいたら、トンネルが見えてきた。ここで坂が終了し、本来ほっとするはずだが、相変わらずきつい。 前の方に大きな旗を持って走っている奴がいる。せめてそいつだけは抜かしたいが、だんだん視界から遠くなっていく。精神的に結構ダメージをくらう。 この後、また記憶を失なう。右の肋骨がまた痛み出してきた。
馬小屋付近が最もきつい。10kmレースなら、迷わずこの辺でペースを落として、また調子が戻るのを待てるが、5kmなのでそうもいってられない。 苦しいのでペースを緩めるか、このまま行くかでかなりの葛藤。 あまりのきつさに、ここ3ヶ月で初めて、走るのがいやになって、歩こうかとも思ってしまう。 驚くと同じに、自分の弱さにあきれかえる。 結局、あれだけ他の人を誘っておいて、ここで自分だけ楽するわけにはいかないとの結論に達し、自分を納得させる。 駅伝でなかったら、どうなっていたかわからないが、今回はそのまま押していく。
そうこうしているうちに、応物前の横断歩道にさしかかる。タイムは16'40''。 昨年は17'00''であったが、今年は500m余計に走っているので、かなりのタイム短縮にほっとする。この時点で目標を25'00''に設定。 ここから完全な下りに入るので、加速していきたいが、足が前に動かない。とにかく苦しい。左足のくるぶし付近も痛み出してきた。
下り坂の最初の理学部付近で、女の子を含めた3人に抜かれるが、何ともすることができず、腹だたしさを感じる。
このあたりで、去年の北雄杯のことが頭をよぎる。 1走の望月がゴールするなり、芝生にうずくまって吐きまくっていたことを。 (あまりに厳しいイメージが生じるので、今年のメンバーにこの話はしていなかったが)
「それに引き換え今の自分は、ベストを尽くしていると言えるのだろうか?」と問い掛ける。 「これ以上苦しむのが怖くて、まだ100%本気で走っていない。」との答えが出される。 気づいたら、体重を乗せて一気に加速していた。
この後、川内テニスコート付近まで意識を失う。 ここまでくると、もうゴールまで300m程度なので、本当のラストスパートをかける。ストライドも伸びて、かなりの速さを感じることができた。 結局タイムは24'29''となった。昨年は25'40''で、今年のほうが500m長いので、タイム的には2分くらいの短縮と見て良いだろう。

5kmのレースは、とにかく苦しいレースだったが、タイム的にはかなり満足できる結果を得た。 また、登りの走りにかなり自信を持っていたが、まだまだ甘いことが良くわかった。 走り始めて3ヶ月程度経って、正直「この位でいいや」という感覚も生じてきている。 来週の10kmレースでは、このあたりの精神的な強さ、弱さがはっきりするだろう。


No. 1 1999.4.29 郡山シティーマラソン・10km
昨日からの雨も上がり。まずまずのランニング日和、若干風が強いのが気にかかる。
7:45分に会場入り、受け付けを済ませ朝食。ロッカーも確保した。8:45の開会式までその辺をプラプラする。市民マラソンだけあって、親子連れが非常に多い。子供がそこらじゅう駆けずり回っている。その一方で、気合の入った60歳くらいの人もいるところが面白い。 妙に手はずの悪い開会式もあっさり終わり、9:40からカテゴリー別にレース開始。この大会は全部で22カテゴリーに分かれていて、総勢3800人が出場する。10kmは10:45にスタートなので、1時間前からサブトラックでアップを開始。
だんだんフォームを大きくしていくWalkingからスキップへ、その腰高のイメージでジョグへ、ジョグ800m。ここで10:15だが全く汗をかかない。そこで、このアップをもう一度行う。Walking→スキップ→ジョグ1200m。時々レース用にペースをあげる。ようやくうっすらと汗が出てきていい感じになってきた。
10:30、選手召集がかかったので、レース用の服装になって召集所へ。ゼッケン、靴に取り付ける記録測定用チップを確認。ついでに靴ひもも確認。
10kmは、高校、一般(39歳以下)441人、40歳台、50歳台の合計700人位出場するため結構人が多い。スタートまでの10分間、膝の屈伸と足首回しを繰り返す。

10:45 スタート。忘れずにストップウォッチもスタート。これは重要。(去年の駅伝大会本番でタイムが伸びなかった原因は、実はストップウォッチの押し忘れ)今回は、1km5.5分ペースで55分を目標にしてレースを進めていく。
競技場内は周りのペースが速い。「ゆっくり」と言い聞かせて競技場を出る。500m付近から、周りのペースがいきなりゆっくりになり、また自分の足も今までにないくらい軽くなって来た。周りの選手を少しづつ抜かしにかかる。背中に背負うものがないのでいつになく軽く走れている。 ついでにコース取りも歩道側にする。沿道の応援で少しでも後押ししてもらおうという作戦。
ペースが良くわからないので、とりあえずはこの良い感覚で走り続ける。 走り始めて10'00''、左ふくらはぎに張りが徐々に発生。やっぱりオーバーペースかも知れない。
ようやく5kmレースの折り返し点、つまり2.5km付近が見えてきた。タイムは12'20''。予定では1km5.5分ペースなので、13'45''で通過予定だったので、かなりのハイペース。左ふくらはぎの張りは、ハイぺースに足がついていけなかったものと推察。やはりレースは怖い。あれほど練習したペース感覚が一瞬で崩れてしまうとは・・・。
ここから意識的にペースをダウンさせる。しかし、相変わらず左ふくらはぎの張りは消えず、足が重くなっていく。ペースダウンに伴い、結構抜かれていく。前に抜いた人に抜かれると結構精神的ダメージがくる。 3.5km付近の記憶はほとんどない。給水所があったが、全く無視して走りつづける。この付近、走りが異様に重く、苦しんでいる。 22'00''、折り返した先頭集団とすれ違う。先頭集団はほとんど高校生で、若さのパワーを感じる。この後、続々ランナーが続き、自分も折り返しに近づいていることを認識する。また、疲れてくると同時に、アップダウンのないコースながらも若干の上り坂を走っていることにも気づいてしまう。
そうこうしているうちに、怪しい太鼓の音色が聞こえてきた。地元の何とか保存会の人達が中間点の近くで演奏してくれているが、どんな音色だったかは全く覚えていない。ようやく中間点のポールが視界に入ってきた。
何とか中間点通過。タイムは26'30''。入りの2.5km12'20''、2.5-5.0kmは14'10''。目標タイムは27'30''なので、まだまだ速いがこのペースで落ちていくと目標には到達しないことを意識し、少しあせる。
当初の予定では、中間点からペースをあげるはずだったが、全く体が動かない。しばらくこのペースで様子をみる。すると、今度は登りの反対で若干の下りになってきた。ここでおそるおそるペースをあげてみる。苦しいが何とかスピードアップできた。 ここから3分くらいは一番つらいところ、思考回路が停止しており、何があったか覚えていない。
31'50''、後ろから荒い息遣いが聞こえてくる。誰だと思ったら、招待選手の谷川真理だった。彼女は10マイル(16km)の部に出場しており、他の女性ランナー2名と先頭集団を形成しており、かなり早いスピードで駆け抜けていった。招待選手といえども本気で走っている姿に少し感動し、少しやる気が出てきた。
残り3.5km付近(時間不明)のところに給水所が。10kmなので水は取らないつもりだったが、水の含んだスポンジをとり、頭から水をかぶり、ずぶ濡れになって気合を入れ直す。ちょうど暑さを感じてきたこともあるのか、これで予想外に体が楽になった。
さらにペースアップして先を狙う。他のほとんどのランナーは疲れてきていて、想像以上に楽に抜ける。 ラスト3kmからは距離表示がある。その「残り3km」の時点でタイムを確認すると、34分台だった。残り3kmを1km5分以内のペースで駆け抜ければ50分を切れることがわかり、このペースで押すことに方針変更。でも練習ではこのペースで走ったことがない。 ここからゴールまでは全てダッシュで走る。距離表示は500m置きなので、それを励みにするが、そのインターバルがかなり長く感じられる。残り2.5kmで、5kmレースの方々と合流、人口密度が増してきた。ペースは全く衰えない。やはり坂道で鍛えることで、レース後半の粘りが出てきているようだ。 残り1kmでタイムを確認。確か42分台だった。残り1km7分以内なら50分を切れるので、50分以内は堅いが、せっかくなのでさらに上を目指す。 ここからラストスパートしようと思ったが、今のペースを維持するのが精一杯、他のランナーも同様のようだ。 格闘しているうちに、競技場への入り口が見えてきた。そのままなだれ込むようにトラックへ。オフィシャルの時計が48分台を指していることを確認しつつゴール。結局正式タイムは48'39''で、順位は239/481だった。

今回は初レースにしては50分を切るなどなかなか良いタイムを残せたのではないだろうか。また、自分が市民ランナーの中で平均的なレベルであることもわかったのは大きな収穫だ。
しかし、反省点も多々ある。何と言っても最大の課題はペース配分。前半5kmを26'30''くらいで走っているのに対し、後半5kmは22'00''で走っている。 これだけのスピードを持っていることにも驚いたが、トータル的にはイーブンペースで走ることを覚えないとどこかで必ず失敗する。
次回のレースは、せめて前半25'00''(欲を言えば24分台)のペースで走りたい。というより、楽にこのペースが出せるような練習をしたい。そうすれば次の目標45'00''も少しづつ見えてくるだろう。