PM燃焼触媒
PM燃焼触媒として、Perovskite型複合金属酸化物の利用
Perovskiteの特徴
・頂点共有によるBO6による安定構造
格子酸素が反応に関わっている場合、多少の構造中の酸素原子が抜けても ぺロブスカイト構造は維持
・高温での熱安定性
エンジンからの排出直後の排ガス(700~800℃)に対して安定
Perovskite型複合金属酸化物触媒によるcarbon black (CB) 燃焼温度比較
NO2供給下における、 Fe系酸化物触媒間での CB 燃焼温度比較
CB燃焼は、酸素中では600℃以上の高温が必要である。これと比べてNO2供給下では、触媒がなくても燃焼開始温度は低くなる(320℃)。しかしこの条件ではCOが多く生成するため、望ましくない。
一方、BiFeO3では200℃で燃焼反応が起こり、CO2は生成しない。Fe2O3にBiを担持しても、Fe2O3より活性にはならない。
触媒 |
CB燃焼開始温度 (℃) |
なし |
320 |
Fe2O3 |
270 |
Bi/Fe2O3 |
230 |
BiFeO3 |
200 |
反応機構
① 触媒(BiFeO3)上で、CBが触媒表面のBiに近づく。C原子がBiと結合するのではなく、CBに存在する水酸基(-OH)などの官能基とBiが相互作用していると考えられる。
② 近接したC原子によって、触媒表面のFeが還元され、同時に酸素欠陥が生じる。
③ 生成した酸素欠陥に対して、反応ガスのNO2がnitriteとして吸着する。このnitrite のO原子が欠陥に移動し、触媒表面は再酸化され、反応ガスはNOとして脱離する。
④ 触媒表面に残ったO原子は、近くのC原子と結合し、CO2となって脱離する。
と考えられる。